ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。
人事担当部署に約10年所属している私から人事給与担当部署に配属された職員が得られるものを6つ紹介します。
この情報は、次の方にとって有益だと思いますので、当てはまる方は、是非御覧ください。
- 人事異動で人事給与担当部署に配属された人
- 人事給与担当部署で勤務していた職員が人事異動で自分と同じ職場になった人
人事給与担当部署に配属される人は「これからそういうことが身に付くんだなぁ」と、人事給与担当部署で勤務していた職員が人事異動で自分と同じ職場になった人は「この人はそういう能力を持っているかもしれないな。」と思って御覧ください。
1点注意事項です。
人事部門と給与部門が一緒の自治体組織を前提に語ります。以下のそれぞれの項目で人事部門と給与部門のどちらの内容で得られるものか説明しますが、人事部門と給与部門が分かれている組織だったらすみません。
法令知識を習得できる。
最初にこれを出すのは、意外と思われるかもしれません。
現状の法令はどうなっているか、法令情報を知ったらどうするか、というノウハウを習得することになるため、こういうことに弱い組織にとってはきっと重宝されます。
人事給与担当部署は、毎年必ず人事給与関係の法改正がされるため、条例、規則等の整備に追われます。そのため、法令情報には敏感になります。
条例、規則等の整備まで及ばなくとも、法令を確認して仕事をするので、法令を見慣れているというだけでも様々な仕事に適応しやすいと思います。
なお、条例改正等の進め方については、こちらでまとめていますので、興味のある方は御覧ください。
何ができるか把握できる。
地方公務員とは何か。何をどこまで行っていいのか。
細かいことをいえば、服装、組織での立ち回り方、プライベートの過ごし方等といったことも含みます。
この点について、服務規律を実際の事例とともに学ぶので分かるようになります。
これがわかるようになると、自分ができることが明らかになるので、(「これをやっていいのか」と悩まなくて済むので)仕事に取り掛かるスピードが上がって業務の効率が上がります。
仕事を早く終わらせる一番のコツは、作業スピードを上げることでなく、早く取り掛かることです。
人生設計をすることができる。
100年時代の人生戦略が必要になってきている今、人事給与担当部署で学ぶものは、大いに役立つものとなります。
公務員の定年は、原則として65歳となりました。それだけでなく、60歳以降は、給与7割への減額がされます。フルタイム勤務が辛いのであれば、制度があれば高齢者部分休業を取得してもいいでしょう。退職して、改めて定年前再任用短時間勤務職員、暫定再任用職員又は会計年度任用職員となる道もあります。もちろん60歳で自己都合退職というのも人生設計の区切りとしていいでしょう。
定年65歳、給与7割等については、別の記事があるから、そっちを見てね。
また、10年ごとに平均2年又は3年のペースで平均寿命が上昇しているため、私たちの寿命は次の例示が挙げられています(「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 LIFE SHIFT」)。
- 昭和52年(1977年)生まれの50パーセントが到達する年齢は、95歳から98歳まで
- 昭和62年(1987年)生まれの50パーセントが到達する年齢は、98歳から100歳まで
- 平成9年(1997年)生まれの50パーセントが到達する年齢は、101歳から102歳まで
100歳まで生きる場合は、65歳で定年退職をしてから残り35年。人生はまだ長い状況です。
65歳以降は、どのような人生設計とするか。人事給与担当部署なら、制度を把握しながら見つめ直すことができます。
なお、100歳まで生きる場合の新しいステージ(エクスプローラー、インディペンデント・プロデューサー、ポートフォリオ・ワーカー等)、新しいお金の考え方、新しい時間の使い方等については、「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略 LIFE SHIFT」で事例を挙げながら紹介されているため、是非一度御覧ください。今後の自分を見つめ直す参考になります。
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続編の「LIFE SHIFT2―100年時代の行動戦略 LIFE SHIFT」もあるよ。
職員間の人間関係を構築できる。
人事給与担当課部署では、様々な職員情報が得られますので、職員間の信頼関係を得られます。
例えば次のような職員情報です。
- 職員の人格の概要
- 職員の能力
- 職員の生活実態
職員研修の受講姿勢、組織内での評判、仕事上の困りごと相談、共済組合、給与、会計年度任用職員の採用等の手続を通してこういったことを知ることになります。その職員のためになる情報発信、フォロー等をすることができるので、信頼を得ることができます。
もちろん信頼を得ることができれば、次は自分自身が困ったときに頼みやすくなります。
職員間交渉の駆け引きが成功しやすいというより、引き際が分かるようになるので、無理強いをしなくて済みます。
組織マネジメント力が向上する。
上記と通ずるものがありますが、職員情報、職員能力の把握、時間外勤務等の勤務実態の把握を踏まえ、適正な事務配分のバランス感覚が養われています。
したがって、配属された組織で問題があれば、次の手法で組織を改善することができます。
- 事務配分の見直し(事業の廃止及び統合、担当者の負担の分散等を含む。)
- 他の所属との協力依頼
- 会計年度任用職員の採用
つい自分たちの今できることだけで解決しようとしてしまいますが、人に頼ることの大切さと頼り方が分かるのが人事給与担当部署だと思っています(頼りすぎて「これ以上頼めない」状況にもなりますが・・・。)。
給与の知識を習得できる。
給与部門であれば、自然なことですね。
単純にもらう給与はもちろんですが、給与から控除されるもの(所得税、住民税、社会保険等)についても詳しくなるので、給与収入を正確に算出できます。
ファイナンシャルプランナーっぽいかもしれません。今後の人生設計にとても役に立ちます。私も人生の大きなイベントにはこの知識に随分助けられました。
ついでにいうと、社会保険労務士を目指しやすくなります。
これらの資格取得を目指す際は、オンライン講座がおすすめです。特に次の講座ならオンライン資格講座シェアNo.1なので安心です。資格取得は、それだけで自分に自信が付きます。「自分に何ができるか分からない。」「自分には何もない。」と自己肯定感の低めの方は、特にやってみるといいと思います。
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PCスキルが向上する。
一人で大量の仕事を処理することが多いため、PCスキルの活用なしでは処理しきれません。
公務員の職場ではエクセル関数を使わなくとも仕事を終えられる部署もありますが、人事給与担当部署ではそうはいきません。
これまで進められてきた人事給与担当部署にはそうしたPCスキルの蓄積がありますので、かなり参考になると思います。
ちなみに私が人事給与担当部署で学んだスキルは、次のスキルです。
- 職員番号等を入力すれば、氏名、住所、生年月日等を自動で表示するスキル(エクセル関数「VLOOKUP」等。職員名簿からのコピペでも可能ですが、この方が間違いがないし操作も楽)
- 大量の封筒への宛先等の印字(ワードの差し込み印刷)
- 提出書類の事前準備(ワードの差し込み印刷、エクセル関数「VLOOKUP」等であらかじめ提出対象者のリストからその情報の印字をした提出書類としておけば、後は提出対象者が押印したり確認すればすぐ提出することができるので、問合せ対応や記載案内をせずに済ませられる。)
- 文書のスキャン管理(採用試験の受験申込書等で活用。すぐに探し出せる。)
- ファイル名の整理(「01 起案用紙(報酬支払)」「02 一覧表」のように、名前順で起案書類を整理すれば、添付資料順に並べられる。わざわざ起案に当たって資料の順序をどうするか確認しなくていいので楽)
中には「スキル」と呼びにくいものもありますが、役に立った私の仕事術なので、記載しました。
人事給与の知識を更に向上させるために、副業のすすめ
人事給与について詳しくなってくると、例え公務員の制度といえど、会社で働く労働者の法令関係も踏まえることになるため、一通りの人事労務の知識を得ることにもなります。
その人事労務の知識は、とても貴重です。世の中がうまく回っているのは、多くの労働者によって成り立っているわけですから、活躍の機会があります。
その知識経験を活用し、社会貢献や様々な人事労務事情の幅広い見聞を広めるためにも是非副業ににチャレンジし、レベルアップをしてみましょう!
副業をする場合は、営利企業等の従事許可(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第38条第1項)をもらってね!
まとめ「大変だけど身に付くものは大きい部署」
以上のとおり、人事給与担当部署に配属されると自分の能力が大きく上がります。
ただし、その「得られるもの」は、その組織として新しい体制を求められたり、大量の仕事をこなしたことの見返りだったりします。
一長一短ですが、得られるものの方が大きいと思いますので、もし配属されたら積極的にチャレンジしてみましょう!
また、幾つかの自治体の人事給与担当部署の職員と関わったことがありますが、自分の部署も含めて人柄のいい職員が集まっている傾向にあります。働く職場としては、いいですよ。
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