ボーナス「勤勉手当」の計算方法

人事給与
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 こむぞうです。

 さて、前回の記事では、ボーナスのうち期末手当について御紹介しました。次は、ボーナスのうち「勤勉手当」の計算方法を御紹介します。

勤勉手当とは?

 まず勤勉手当がどのようなボーナスなのか御説明します。勤勉手当は、「精勤に対する報償として年に一回またはそれ以上支給される能率給」とか「民間の賞与のうちの成績査定分に相当する給与で、各職員の人事評価の結果及び勤務の状況に応じて支給される」といった説明がされています。こっちの方がイメージとしてはボーナスらしいですね。

こむぞう
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つまり、仕事の成果に応じたボーナスというわけです。

勤勉手当が支給されない職員

 勤勉手当が支給されない場合があります。主に基準日(6月支給なら6月1日、12月支給なら12月1日)時点で次の場合です。

  • 休職
  • 停職者
  • 専従休職者
  • 人事交流
  • 自己啓発等休業
  • 配偶者同行休業
  • 派遣職員
  • その他

勤勉手当の計算方法

 では、勤勉手当の計算方法を御紹介します。勤勉手当は、おおむね期末手当と計算方法は余り変わりません。大きな違いは、次の2点です。

  • 扶養手当は、計算対象とならない。
  • 支給割合(成績率)は、勤務成績(業績評価)で異なる。

 さて、では計算の説明に入ります。なお、今回も再任用職員及び特定管理職員という特別枠については、割愛させていただきます。

 必要な情報は、次の点です。

  • 給料月額
  • 地域手当の支給率
  • 役職加算割合
  • 管理職加算割合(あれば。恐らく地方公共団体にこの制度はありません。)
  • 勤務しなかった期間等
  • 業績評価(人事評価)の結果と自治体で定めている成績率

 計算式は、

 勤勉手当=勤勉手当基礎額×成績率×期間率※1円未満の端数切捨て

となります。

 成績率は、勤務成績に応じて異なります。国家公務員の例でいえば、次のとおりとなります。

業績評価成績率
特に優秀1.15以上1.9以下
優秀1.035以上1.15未満
良好(標準)0.92
下位0.835以下
令和3年6月10日現在

 「良好(標準)」の「0.92」は、「0.95」とする自治体の方が多いかもしれません。「0.95」は、勤勉手当の総支給額としての支給割合です。つまり、勤勉手当の総支給額は、(勤勉手当基礎額+扶養手当+地域手当+広域異動手当+研究員調整手当)×0.95を超えることができないのです。

 ロに掲げる職員以外の職員 当該職員の勤勉手当基礎額に当該職員がそれぞれその基準日現在(退職し、又は死亡した職員にあつては、退職し、又は死亡した日現在。次項において同じ。)において受けるべき扶養手当の月額並びにこれに対する地域手当、広域異動手当及び研究員調整手当の月額の合計額を加算した額に百分の九十五(特定管理職員にあつては、百分の百十五)を乗じて得た額の総額

一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第19条の7第2項第1号イ

 下位の成績率については、かなり幅があります。自治体によっても様々です。ちなみに国家公務員は、通知文で懲戒処分等がされた場合について定められています(期末手当及び勤勉手当の支給について(昭和38年12月20日給実甲第220号人事院事務総長発))

 さて、それでは勤勉手当の計算式のうちそれぞれの専門用語を解説します。まず勤勉手当基礎額です。勤勉手当基礎額とは、次のとおり求めます。おおむね期末手当基礎額と同様ですが、扶養手当を計算対象から外すことになります。

 勤勉手当基礎額=給料月額+給料月額×地域手当の支給率+役職加算+管理職加算※1円未満の端数切捨て

 役職加算と管理職加算については、期末手当と同じです。管理職加算も期末手当と同様、自治体の事例はほぼないと考えられます。

  • 役職加算=(給料月額+(給料月額×地域手当の支給率))×役職加算割合※1円未満の端数切捨て
  • 管理職加算=給料月額×管理職加算割合※1円未満の端数切捨て

 期間率は、期末手当の在職率と同様です。ただし、内容が若干異なります。なお、勤務期間の判定期間は、次のとおり期末手当の在職期間と同じです。

支給月勤務期間の判定期間
6月12月2日から6月1日まで
12月6月2日から12月1日まで

 6月の勤勉手当であれば、12月2日から6月1日までとなります。この判定期間で期間率がいくつになるかというと、こちら

勤務期間期間率
6か月100分の100
5か月15日以上6か月未満100分の95
5か月以上5か月15日未満100分の90
4か月15日以上5か月未満100分の80
4か月以上4か月15日未満100分の70
3か月15日以上4か月未満100分の60
3か月以上3か月15日未満100分の50
2か月15日以上3か月未満100分の40
2か月以上2か月15日未満100分の30
1か月15日以上2か月未満100分の20
1か月以上1か月15日未満100分の15
15日以上1か月未満100分の10
15日未満100分の5
00

 4月1日から採用された職員であれば、期間率は100分の30となります。

 なお、「勤務期間」は、期末手当の在職期間と同様、勤務期間としない期間が細かく決められています。それは、主に次の内容です。

  • 停職者の期間
  • 非常勤職員(会計年度任用職員等)の期間
  • 専従休職者の期間
  • 育児休業の期間
  • 自己啓発休業等の期間
  • 配偶者同行休業の期間
  • 休職の期間
  • 育児短時間勤務職員等の期間
  • 欠勤等により給与が減額されていた期間
  • 介護休暇(長期)
  • 介護時間
  • 部分休業(国家公務員であれば、育児時間)
  • 基準日以前6か月間で1日も勤務しなかった場合は、その全期間

 さて、まとめです。勤勉手当も専門用語が多い計算ですが、専門用語をなるべくなくしてつなぎ合わせると次の計算式となります。

勤勉手当=給料月額+給料月額×地域手当の支給率+(給料月額+給料月額×地域手当の支給率)×役職加算割合+給料月額×管理職加算割合×成績率×期間率※1円未満の端数切捨て

となります。強引につなげ合わせましたが、勤勉手当基礎額、役職加算等の計算で1円未満の端数切捨てをすることに注意しましょう。

 では、具体例を挙げましょう。給料月額314,300円、地域手当の支給率0.15、役職加算割合0.05、管理職加算なし、成績率0.95、期間率1.0の場合は、

(給料月額314,300円+給料月額314,300円×地域手当の支給率0.15+(給料月額314,300円+給料月額314,300円×地域手当の支給率0.15)×0.05)×成績率0.95×期間率1.0=勤勉手当360,541円

となります。

会計年度任用職員は、支給不可

 なお、アルバイト的な地方公務員である会計年度任用職員については、この勤勉手当は支給されません。期末手当なら支給されるのですけどね。

普通地方公共団体は、条例で、第一項の者のうち地方公務員法第二十二条の二第一項第一号に掲げる職員に対し、期末手当を支給することができる。

地方自治法(昭和22年法律第67号)第203条の2第4項

 ちなみに会計年度任用職員であってもフルタイム勤務の場合は、条例で定めれば支給することができるとされていますが(地方自治法第204条(昭和22年法律第67号))、総務省からは、次のとおり検討課題とし、支給しないこととされています。任期が1年以内なのに業績評価をどうするかという課題もあるのでしょうね。

なお、特に「勤勉手当」については、各地方公共団体における「期末手当」の定着状況等を踏まえた上での検討課題とすべきものと考えている。

会計年度任用職員制度の導入等に向けた事務処理マニュアル(第2版)Q&A

期末手当・勤勉手当計算ツール

 さて、いかがでしょうか?期末手当の記事でも紹介した計算ツールを今回も掲載しておきます。よろしければ御活用ください。

 ちなみに期末手当って何?という方については、こちらを御覧ください。

ボーナス「期末手当」の計算方法
ボーナスの一つ「期末手当」の計算方法を御紹介します。

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