ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。
約10年人事給与の仕事をしている私、こむぞうが公務員の人事担当部署として、1、2を争う繁忙期の4月について話したいと思います。
- 人事給与担当部署に所属していて仕事のスケジュールの整理がしたい人
- 人事給与担当部署が何をしているか興味のある人
以上の方々は、お役に立てると思いますので、是非御覧ください。
この月の辛さは、ハンパない!
採用(常勤の職員の場合)
まずはここですね。前年度で採用した職員の御案内です。誰もが初めてなので、人事担当部署が誘導しないと進みません。
内容は、次のとおりです。
- 辞令交付式
- 配属部署への案内
- 手続案内
- 研修
配属部署への案内は、もう採用日になった時点で社会人なので、「あっちに行って挨拶してねー」で済みますが、辞令交付式や手続案内については、新人もベテランも関係なく、成立させるためにはしっかりとした案内が大切ですからね。「段取り8割」!
研修もあります。トップからのお言葉、制度の説明等。当然御案内しないと進みませんね。ちなみに、在職職員のスキルアップを含め、制度説明については、在職職員にやってもらうこともあります。もちろん人事担当部署が自ら講師を務めるものもありますよ?給与制度やら倫理やら
採用(会計年度任用職員の場合)
事務は、人事給与スケジュール2月の記事で案内されているものの処理です。
おおむね整っているはずですが、最も多い問合せは、共済組合
早めに書類を共済組合に送付しても、4月の資格取得はどこも多いのでなかなか共済組合の組合員証(保険証)は届きません。どうか気長にお待ちください。
もし病院に行った場合は、会計のときに「保険証の手続中です。」って答えてね。後は病院が案内してくれるよ!
病院によっては、保険証があれば医療費の3割で済むところ、医療費10割を請求されるかもしれませんが、それで支払ってください。あとでその領収書を持って職場の担当で療養費給付の手続を取れば、払う必要のなかった金額(医療費の7割)が共済組合からもらえます。
組織配置
人事異動は、4月1日付けで行われることが多いため、この整理は、重要ですね。
しかし、他の自治体なら組織を立て直す余力がある気もしますが、私どもだと多くは1週間前程度で伝えたことを受けて辞令を交付するため、この交付式典は、見直さなければならないと感じます。
派遣職員
新人さんとまではいわないまでも、派遣した人、された人については、やはりこちらが案内しないと話が進みませんからね。それぞれ内容が違いますから、しっかり確認した上で案内する必要があります。もう、こんがらがりそうですね。
6月議会提案
「4月でもう6月議会の話!?」と思うのは、ベテラン諸君も思ってしまう内容です。印刷して事前に議員に資料配布を行う都合上、4月下旬にそうすることもあります。
通常はありませんが、「思わぬ人事異動等で予算不足」といったことがあると、動きます。
研修
まずは新規採用職員研修です。新年度が始まって早々に新規採用職員には研修を受けてもらい、公務員として公務を行ってもらいます。
地方公務員制度、地方自治制度、自治体の紹介等の様々な研修プランが自治体ごとにあると思います。短期間とはいえ、これを実施するのがとても大変
自治体にもよると思いますが、どこかに任せることなく自治体自ら行うのがほとんどだと思いますので、研修の御案内から講師まで全て職員が行います。
新たに配属されたところの業務のための専門研修もこの時期に申込みがあったりしますね。ちなみに公務員の研修については、こちらの記事を御覧ください。
給与
公務員は、昇給制度がしっかりしています。
詳しいことは、別の機会にしますが、「この人の新たな年度の給与は、どうなるか。」といったことを整理しますね。
ちなみに、いわゆる「正規職員」は、昇給制度についてはお決まりのルールがあります。その点を注意する必要があります。手当(特に地域手当)については、昇任等により条例、規則等の規定による変化を踏まえて整理が必要ですね。当然一人や二人で済まないため、大変です。
以上を踏まえ、4月を終えていないのに4月給与を支払いのが公務員の多数派だと思います。
年次有給休暇
前年度の残日数がある場合は、今年度に繰り越します。時効は、2年ですからね。よく確認して繰り越します。
第百十五条 この法律の規定による賃金の請求権はこれを行使することができる時から五年間、この法律の規定による災害補償その他の請求権(賃金の請求権を除く。)はこれを行使することができる時から二年間行わない場合においては、時効によつて消滅する。
労働基準法(昭和22年法律第49号)第115条
この整理が意外とうまくいってないことがあったりするので、人事担当部署は、大変になったりします。誰もが自分の年次有給休暇を整理できていないのが負担の原因ですね。
なお、年次有給休暇は、10日以上付与される場合は、5日以上を指定されます。詳細については、こちらの記事を御覧ください。
共済組合
保険証、年金その他福利厚生を担うのが共済組合です。
4月に行うことは、次の事務です。
- 新規採用職員の加入(これは、義務です。)
- 共済組合の被扶養者(条件が難しいのですよね。この話は、別の機会に。)
- 人間ドックの助成申込み
- 共済組合が委託した会社の生命保険(団体割引)
被扶養者は、社会人として自立できるなら扶養する必要はないというのが共済組合の主張ですね。もっともです。保険料がかからないという制度なので、その反面、必要な書類を入手してこれを認めてもらうのは大変ですね。
安全衛生関係
これは、要するに職場環境を考えるということですね。
これについては、次の者を選任する事務があります。
以上については、ほぼお決まりの内容ですので、円滑に進むと思いますが、機能させることは、難しいですね。御存じですか?実は毎月1回以上の会議の開催義務があります(労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第23条第1項)。
なお、産業医については、市町村立病院を持たない自治体等は、個別に医師と産業医契約を締結する必要があります。
健康診断
雇入れ時の健康診断というものがあります。
常勤の職員の4分の3以上勤務する職員を採用したら、健康診断を受けさせなければなりません。
第四十三条 事業者は、常時使用する労働者を雇い入れるときは、当該労働者に対し、次の項目について医師による健康診断を行わなければならない。ただし、医師による健康診断を受けた後、三月を経過しない者を雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、当該健康診断の項目に相当する項目については、この限りでない。
労働安全衛生規則第43条
この「常時使用する労働者」を常勤の職員の4分の3以上勤務する職員っていわれてるよ!
このような法令の定めがあるため、この4月に採用した職員(正確には、常勤の職員の4分の3以上勤務する職員)に健康診断を受けさせる必要があります。
雇入れ時の健康診断を受けさせなければならない期限の定めはありませんが、採用後1か月以内には健康診断を受けさせたいですね。
また、消防士のような深夜業を含む業務(労働安全衛生規則第13条第1項第3号ヌ)の場合は、特定業務従事者の健康診断が必要となります。
第四十五条 事業者は、第十三条第一項第三号に掲げる業務に常時従事する労働者に対し、当該業務への配置替えの際及び六月以内ごとに一回、定期に、第四十四条第一項各号に掲げる項目について医師による健康診断を行わなければならない。この場合において、同項第四号の項目については、一年以内ごとに一回、定期に、行えば足りるものとする。
4月に特定業務従事者の健康診断を受けさせるべきかは分からないけど、上述の雇入れ時の健康診断と同時だと手間がなくていいね!
人事評価の目標設定
任命権者は、定期的に人事評価を行わなければなりません。
第二十三条の二 職員の執務については、その任命権者は、定期的に人事評価を行わなければならない。
地方公務員法(昭和25年法律第261号)第23条の2第1項
人事評価の基準及び方法に関する事項その他人事評価に関し必要な事項は、任命権者が定めることになっているため(地方公務員法第23条の2第2項)、人事評価をどう行うかは自治体によりますが、おおむね次の2種類の評価を組み合わせることになります。
- 業績評価(業績目標を設定してその達成度に応じて評価する。)
- 能力評価(あらかじめ定めた基準を満たした能力について評価する。)
この4月で行うことは、業績評価のうち、業績目標の設定です。
担当業務によって、この業績目標の設定はとても難しいです。
特に初めて担当する業務は、この先どういう目標を設定したらいいか分かりません。
前任者や上司と相談して設定する必要があります。
各種公表
公務員は、次のことも4月末日までにしなければしなければならないことになっています。「給与・定員管理の公表は、結構大変です。
- 給与・定員管理等の公表
- 等級等ごとの職員数の公表(地方公務員法第58条の3)
終わりに「長時間勤務の負担を軽減するアイテム「オーダースーツ」」
話したりない部分もありますが、ブログではここまでとします。要するに、人事給与担当部署の4月は、とても大変ということです。「人事給与担当部署って何をしてるんだろう?」と興味のある方は、是非参考にしていただければと思います。
スーツで勤務しているあなたに知ってもらいたい話です。
実はスーツって、結構疲れるんですよね。私なんて、動きにくいのですぐ上着を脱ぎます。
寒い日だと上着を着たり脱いだりの繰り返しです。
しかし、オーダースーツになると、ずっと着ていても全然疲れません。「既製品とオーダースーツ、こんなに違うものか」と思い知ります。
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店舗はもちろん、出張オーダーで採寸してもらうことができます。
料金は、33,000円から。私もオーダースーツを持っていますが、あのときは安くて5万円以上でした。
リーズナブル!
知ってたら、ここを利用したのに・・・。
スーツの寿命は、3年から5年まで。結構長持ちしますので、将来を見据えればいい買物です。
通常の勤務でも休憩時間を含めて8時間を超えて着続けるわけですから、体にフィットしていないスーツではやはり疲れます。
オーダースーツは、あなたを助けてくれます。4月という新たな年度から心機一転!是非利用してみてください。
あと、将来の備えとして、投資についてもちょっと考えてみてね。詳細は、つみたてNISAの記事を見てね。
私は、投資を始めるのが遅かったので後悔しました。少しずつでいいので積み立てていきましょう!
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