ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。
令和4年4月1日から公務員の育児休業等が変わります。条例改正が必要になりますので、条例等の整備に必要な情報に厳選してお伝えします。
次の人には有益だと思いますので、是非御確認ください。
- 育児又は介護に関する休暇又は休業を予定する会計年度任用職員とその所属の職員
- 人事給与担当者
- 条例又は規則の整備をする公務員
会社員等の育児休業制度が法改正されると決まり、とうとう公務員の法整備について情報がそろいましたので御紹介します。是非御覧ください。
法改正の内容
まずは会社員等の育児休業と介護休業について見ていきます。
- 公布の日 令和3年6月9日
- 施行期日 令和4年4月1日(出生時育児休業については、同年10月1日)
出生時育児休業(この育児休業制度については、後述します。)の施行期日は、育児・介護休業法改正法附則第1条第3号では「公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日」とされていますが、この政令が育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令(令和3年政令第267号)として令和3年9月27日に公布され、令和4年10月1日に決まりました。)
これに加えて、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出が令和3年8月10日付けで人事院から国会又は内閣に対して行われています。
育児・介護休業法改正法とは別に、育児時間(地方公務員の場合は、部分休業)、介護時間、子の看護休暇及び短期の介護休暇を取得できる非常勤職員の対象を拡大するよう求めていたり、無視できない内容です。
これを受けて、次のとおり人事院規則と運用通知が改正されます。
- 公布の日 令和4年2月17日
- 施行期日 令和4年4月1日
人事院規則19-0(職員の育児休業等)の一部改正では、非常勤職員の育児休業及び育児時間の取得要件のうち「引き続き在職した期間が1年以上」との要件の廃止と育児休業を取得しやすい勤務環境の整備に関する措置等の義務付けが行われています。
人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(平成6年7月27日職職-329)の一部改正では、出生サポート休暇、配偶者出産休暇、育児参加休暇、子の看護休暇、介護休暇及び介護時間の取得要件が緩和されます。
「育児休業等の運用について」(平成4年1月71日職福-20)の一部改正では、各省各庁の長等が講ずべき措置等の詳細が定められます。
また、次のとおり育児休業に関する法律が改正されます。
- 公布の日 令和4年5月2日
- 施行期日 公布の日から起算して9月を超えない範囲内において政令で定める日(令和4年10月1日)
ちなみに施行期日を定める政令は、地方公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(令和4年政令第204号)。令和4年5月27日に公布されたよ!
国家公務員も、国家公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律(令和4年法律第19号)で同様に公布されています。
この法改正では、育児休業の取得回数制限の緩和と非常勤の地方公務員の介護休業(長期の介護休暇)の取得要件のうち1年以上の在職期間を必要とする要件を廃止します。
様々な改正がありますが、その中でも条例等の整備に必要な情報は、次の5点です。
- 育児休業、部分休業、介護休暇(介護休業)及び介護時間の「引き続き在職した期間が1年以上」の要件撤廃
- 子の看護休暇及び短期の介護休暇の対象者に6月以上の任期が定められている者も追加
- 妊娠又は出産等の申出をした場合における措置等
- 勤務環境の整備に関する措置
- 出生時育児休業の新設
有期雇用労働者の育児と介護の休業対象拡大(もちろん会計年度任用職員も)
有期雇用労働者とは、労働期間の定めのある労働者です。
ちなみに「労働期間」を定年のことだと誤解している人もいますが、労働期間と定年は別の制度です。定年は、労働期間のない無期雇用労働者がある年齢になったら退職する制度です。
定年のある無期雇用労働者?それって、定年までが労働期間じゃないの?
実質的にはそのとおり。
しかし、公務員の場合は、職員の新陳代謝を計画的に行う・・・というと、難しいか。高齢の労働者が増えすぎると組織の考え方が偏ってしまうし、労働期間がないと、「この年齢くらいになったらやめるのが普通」という職場の雰囲気だったり、辞めたいときに辞める流れになったりしてばらばらで不安定だった経緯から定年制を導入する必要があったといわれているから(「新版 逐条地方公務員法<第5次改訂版>」)、会社員が定年制を導入するのもそうなんだと思う。ちなみに定年制を採用していない会社もあるから、飽くまで定年制のある会社の話ね。
有期雇用労働者というわけではありませんが、期間の定め(任期)があるという点ではアルバイト的な地方公務員である会計年度任用職員も同じポジションです。
さて、まずこの有期雇用労働者の育児休業及び介護休業の改正について記述します。これらの改正に伴い、同様に会計年度任用職員の法整備もする必要がありますので、よく御確認ください。
育児休業の有期雇用労働者対象拡大
有期雇用労働者が育児休業をすることができる条件は、育児・介護休業法改正法第1条の規定による改正前の育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)第5条第1項ただし書の規定により次の2つの条件を全て満たす必要があることとなっています。
- 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者
- その養育する子が一歳六か月に達する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者
このうち、今回の育児・介護休業法改正法第1条の施行に伴い、令和4年4月1日から「当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者」という条件がなくなります。
公務員で「有期雇用労働者」といえば・・・・
国家公務員なら非常勤職員、地方公務員なら会計年度任用職員(非常勤職員)だから、人事院規則又は条例を整備する必要がある。
国家公務員なら人事院規則19-0(職員の育児休業等)第3条第3号イ(イ)がそれに当たるからそこが人事院規則19-0-14の施行により改正されることになった。だから、育児休業条例の同じような規定も改正する必要があるんだ。
介護休業の有期雇用労働者対象拡大
有期雇用労働者の介護休業ができる条件は、育児・介護休業法改正法第1条の規定による改正前の育児・介護休業法第11条第1項ただし書の規定により次のとおりとなっています。
- 当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者
- 第三項に規定する介護休業開始予定日から起算して九十三日を経過する日から六月を経過する日までに、その労働契約(労働契約が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了することが明らかでない者
こちらも今回の育児・介護休業法改正法第1条の施行に伴い、令和4年4月1日から「当該事業主に引き続き雇用された期間が一年以上である者」という条件がなくなります。
公務員だとどこに当たるところなの?
国家公務員は運用通知(「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(平成6年7月27日職職-329)
)で定めているよ。上記のとおり国家公務員もこの部分について改正がある。地方公務員の会計年度任用職員の休暇に関する規則も改正事務を進めておかなきゃな。
ちなみに非常勤の国家公務員の長期の介護休暇は、人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)第4条第2項で「人事院の定める非常勤職員」に与えらえる無給の休暇として定められており、その「人事院の定める非常勤職員」は、改正前の運用通知でこのように定められています。
エ この条の第2項第4号の休暇 同号に規定する申出の時点において、1週間の勤務日が3日以上とされている職員又は週以外の期間によって勤務日が定められている職員で1年間の勤務日が121日以上であるものであって、任命権者(国家公務員法第55条第1項に規定する任命権者及び法律で別に定められた任命権者並びにその委任を受けた者をいう。)を同じくする官職(以下この⑴において「特定官職」という。)に引き続き在職した期間が1年以上であり、かつ、当該申出において、⒂の規定により指定期間の指定を希望する期間の初日から起算して93日を経過する日から6月を経過する日までに、その任期(任期が更新される場合にあっては、更新後のもの)が満了すること及び特定官職に引き続き採用されないことが明らかでないもの
「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(令和4年2月17日職職-23)による改正前の「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(平成6年7月27日職職 -329)第4条関係第1項⑴エ
なるほど。ここが改正されるんだね。
そう。この要件がなくなるよう改正がされるんだ。地方公務員の非常勤職員(会計年度任用職員)にも同様に定めているだろうから、地方公務員もそのようにすべきということになるな。
- 【おまけの話】地方公務員では「介護休業」ではなく「介護休暇」という理由
- 多くの自治体職員が家族を介護するための長い休暇は、「介護休暇」となっていると思います。
これは、育児・介護休業法よりも先に地方公務員がこの介護のための長期休暇の制度を作ってしまったためです。
まず平成6年に国家公務員が一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成6年法律第33号)の一部改正をすることで導入し、地方公務員も条例で定めました。平成7年に民間労働者にも育児・介護休業法の一部改正がされることで導入されることとなりましたが、このときに地方公務員の介護休暇(介護休業)だけ法律上の根拠がないことにならないよう育児・介護休業法に定めることとなりました(条例は、法律より下位の法とされていますので、この点がアンバランスになるおそれがあったのです。)。
そのため、地方公務員の介護休暇の直接の根拠は、条例によることとなり、育児・介護休業法は、最低基準に過ぎないという位置付けになりました。
したがって、育児・介護休業法第61条第6項において読み替えて準用する同条第3項で地方公務員に関する特例の介護休業が定められているものの、「介護休業」という名称ではなく「介護休暇」が使われたり、ちょっとだけ制度も違ったりするのです。
出生時育児休業の新設
育児・介護休業法第2条の施行に伴い、令和4年10月1日から次の規定ができます。
第九条の二 労働者は、その養育する子について、その事業主に申し出ることにより、出生時育児休業(育児休業のうち、この条から第九条の五までに定めるところにより、子の出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日まで(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては当該出生の日から当該出産予定日から起算して八週間を経過する日の翌日までとし、出産予定日後に当該子が出生した場合にあっては当該出産予定日から当該出生の日から起算して八週間を経過する日の翌日までとする。次項第一号において同じ。)の期間内に四週間以内の期間を定めてする休業をいう。以下同じ。)をすることができる。ただし、期間を定めて雇用される者にあっては、その養育する子の出生の日(出産予定日前に当該子が出生した場合にあっては、当該出産予定日)から起算して八週間を経過する日の翌日から六月を経過する日までに、その労働契約が満了することが明らかでない者に限り、当該申出をすることができる。
育児・介護休業法改正法第2条の規定による改正後の育児・介護休業法第9条の2第1項
これだけでは制度を全て説明していませんが、関係条文を全て掲載すると長くなりますので、制度の概要はこちらを御覧ください。
出生時育児休業の具体的な活用方法となると、このようになります。
出生時育児休業中は給与が出ないかもしれないけど、今の育児休業のように、ハローワークの出生時育児休業給付金っていう育児休業給付金の対象になるから安心してね!
出生時育児休業給付金については、条例改正や規則改正に影響しないので、この記事では省略します。
さて、では地方公務員がどうなるかというと、上記で紹介した法改正(地方公務員の育児休業等に関する法律及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案)が成立すれば、育児休業の取得回数制限の緩和により、出生後8週間以内に2回、出生後8週間を超えた後に2回の合計4回に回数が増えた育児休業を取得することができるようになります。
したがって、出生時育児休業という制度はありませんが、出生時育児休業のある会社員の育児休業制度と同等の制度として育児休業をすることができることとなります。
「同等の制度」といいつつ、公務員は育児休業が子どもが3歳の誕生日の前日までできるようになっているのが大きいよね。
会社員もそれくらい長くていいと思うんだけどね。子どもが1歳になったくらいじゃ親が離れるのは難しいだろうから、職務復帰は難しいと思うな。
育児時間の対象拡大
人事院規則19-0-14の施行に伴い、育児時間を取得することができる非常勤の国家公務員の対象者が増えます。
ところで「育児時間」って何?
育児時間は、簡単にいえば育児のために勤務の始業前又は終業前のいずれか合計2時間をお休みできる制度だ。
地方公務員だと「部分休業」と呼ばれているよ。
育児時間を取得することができる非常勤職員には要件があり、そのうちの一つで次の要件があります。
イ 特定官職に引き続き在職した期間が一年以上である非常勤職員
人事院規則19-0-14による改正前の人事院規則19-0(職員の育児休業等)第28条第2号イ
前述のとおり、人事院規則19-0-14の施行により令和4年4月1日からこれが撤廃されます。
したがって、地方公務員の部分休業も同様にすることになります。
ちなみに総務省から令和4年1月14日付けの事務連絡で条例を改正するよう助言もされています。
介護時間の対象拡大
上記の育児時間と同様、介護時間も同じ要件がありますので、育児時間と同様に「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」の一部改正について(令4年2月17日職職-23)の施行により令和4年4月1日から撤廃されます。
「介護時間」って何?
介護時間は、簡単にいえば介護のために勤務の始業前又は終業前のいずれか合計2時間をお休みできる制度だ。
育児時間とほぼ同じ制度だね。
ちなみに非常勤の国家公務員の介護時間は、人事院規則15-15第4条第2項で「人事院の定める非常勤職員」に与えらえる無給の休暇として定められており、その「人事院の定める非常勤職員」は、このように運用通知で定められています。
オ この条の第2項第5号の休暇 初めて同号の休暇の承認を請求する時点において、1週間の勤務日が3日以上とされている職員又は週以外の期間によって勤務日が定められている職員で1年間の勤務日が121日以上であるものであり、かつ、1日につき定められた勤務時間が6時間15分以上である勤務日があるものであって、特定官職に引き続き在職した期間が1年以上であるもの
「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(令和4年2月17日職職-23)による改正前の「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(平成6年7月27日職職 -329)第4条関係第1項⑴オ
ここも改正されるんだね。
そう。この「特定官職に引き続き在職した期間が1年以上」を削る改正がされるんだ。
地方公務員の非常勤職員(会計年度任用職員)にも同様に定めているだろう。国家公務員がこの要件を撤廃するのだから、やはり地方公務員もそのようにすべきということになるな。
子の看護休暇及び短期の介護休暇の対象拡大
「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」の一部改正について(令4年2月17日職職-23)の施行により子の看護休暇又は短期の介護休暇を取得する要件の一つ「6月以上継続勤務しているもの」が「6月以上の任期が定められているもの又は6月以上継続勤務しているもの」に緩和されますので、非常勤の国家公務員の対象者が増えます。
一応非常勤の国家公務員が子の看護休暇又は短期の介護休暇を取得する要件の該当箇所を引用しておきます。
ウ この条の第2項第2号及び第3号の休暇 1週間の勤務日が3日以上とされている職員又は週以外の期間によって勤務日が定められている職員で1年間の勤務日が121日以上であるものであって、6月以上継続勤務しているもの
「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」の一部改正について(令4年2月17日職職-23)による改正前の「人事院規則15-15(非常勤職員の勤務時間及び休暇)の運用について」(平成6年7月27日職職 -329)第4条関係第1項⑴ウ
このウが削られて、出生サポート休暇、配偶者出産休暇及び育児参加休暇の3つと同じ要件にすることで「6月以上の任期が定めれているもの」も取得対象にしてもらえるんだね。
そのとおり!
育児休業を取得しやすい雇用環境整備等
育児・介護休業法第1条の施行に伴い、このような規定ができます。
第二十一条 事業主は、労働者が当該事業主に対し、当該労働者又はその配偶者が妊娠し、又は出産したことその他これに準ずるものとして厚生労働省令で定める事実を申し出たときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該労働者に対して、育児休業に関する制度その他の厚生労働省令で定める事項を知らせるとともに、育児休業申出に係る当該労働者の意向を確認するための面談その他の厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
育児・介護休業改正法第1条の規定による改正後の育児・介護休業法第21条第1項
2 事業主は、労働者が前項の規定による申出をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。
育児・介護休業改正法第1条の規定による改正後の育児・介護休業法第21条第2項
第二十二条 事業主は、育児休業申出が円滑に行われるようにするため、次の各号のいずれかの措置を講じなければならない。
育児・介護休業改正法第1条の規定による改正後の育児・介護休業法第22条
一 その雇用する労働者に対する育児休業に係る研修の実施
育児・介護休業改正法第1条の規定による改正後の育児・介護休業法第22条第1号
二 育児休業に関する相談体制の整備
育児・介護休業改正法第1条の規定による改正後の育児・介護休業法第22条第2号
三 その他厚生労働省令で定める育児休業に係る雇用環境の整備に関する措置
育児・介護休業改正法第1条の規定による改正後の育児・介護休業法第22条第3号
つまり、事業主に育児休業を取得しやすい職場環境を整える義務が課されます。
この内容は、同様に公務員にも求められるところです。
国家公務員だと、人事院規則19-0-14による改正後の人事院規則19-0第5章に同様の規定が置かれるよ。
いつもならこれくらいの内容は、国や都道府県から技術的助言(地方公務員法(昭和25年法律第261号)第59条及び地方自治法(昭和22年法律第67号)第245条の4)という通知文一本で済むと思うのですが、令和4年1月14日付けの総務省からの事務連絡で条例で定めるよう技術的助言がされました。
公務員の条例及び規則の整備
さて、それでは、具体的な条例案等の立案に入ります。
まず育児休業の対象者拡大については、育児休業条例第2条くらいで「育児休業をすることができない職員」という見出しの条があると思います。ここに「任命権者を同じくする職(以下「特定職」という。)に引き続き在職した期間が1年以上である非常勤職員」という規定があると思いますので、これを削りましょう。
なお、育児休業の取得回数制限の緩和については、人事院規則19-0の一部改正を待ってから条例等の整備を決めましょう。施行期日はまだ先なので大丈夫です。
情報が入ったらこの記事を更新します!
部分休業(育児時間)の対象者拡大については、育児休業条例第19条くらいで「部分休業をすることができない職員」という見出しの条があると思います。ここに「特定職に引き続き在職した期間が1年以上である非常勤職員」という規定があると思いますので、これを削ります。
育児休業条例の一部改正に伴う引用条項の整理のほか、上述の国家公務員の人事院規則及び運用通知の一部改正により育児休業における任命権者が講ずべき措置等の詳細並びに介護休暇(介護休業)、介護時間、子の看護休暇及び短期の介護休暇の対象者拡大について地方公務員の規則等の改正が必要となります。
さて、改正内容の整理ができたところで、条例案及び規則案をお示しします。
条例案
〇〇市職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例
目次中「第4章 部分休業(第19条〜第22条)」を「第4章 部分休業(第19条〜第22条)/第5章 任命権者が講ずべき措置等(第23条・第24条)」に改める。
第2条第4号ア(ア)を削り、同号ア(イ)中「特定職に引き続き」を「引き続いて任命権者を同じくする職(以下「特定職」という。)に」に改め、同号ア(イ)を同号ア(ア)とし、同号ア(ウ)を同号ア(イ)とする。
第19条第2号を次のように改める。
⑵ 勤務日の日数及び勤務日ごとの勤務時間を考慮して町長が規則で定める非常勤職員以外の非常勤職員(地方公務員法第28条の5第1項に規定する短時間勤務の職を占める職員(以下「再任用短時間勤務職員等」という。)を除く。)
第4章の次に次の1章を加える。
第5章 任命権者が講ずべき措置等
(妊娠又は出産等についての申出があった場合における措置等)
第23条 任命権者は、職員が当該任命権者に対し、当該職員又はその配偶者が妊娠し、又は出産したことその他これに準ずる事実を申し出たときは、当該職員に対して、育児休業に関する制度その他の事情を知らせるとともに、育児休業の承認の請求に係る当該職員の意向を確認するための面談その他の措置を講じなければならない。
2 任命権者は、職員が前項の規定による申出をしたことを理由として、当該職員が不利益な取扱いを受けることがないようにしなければならない。
(勤務環境の整備に関する措置)
第24条 任命権者は、育児休業の承認の請求が円滑に行われるようにするため、次に掲げる措置を講じなければならない。
⑴ 職員に対する育児休業に係る研修の実施
⑵ 育児休業に関する相談体制の整備
⑶ その他育児休業に係る勤務環境の整備に関する措置
附 則
この条例は、令和4年4月1日から施行する。
黄色の下線箇所は、ブログの仕様上、表現できてないけど、「/」で改行して2行にわたった字句に改める改正だよ!
つまり、↓みたいな表現にするってこと。
〇〇市職員の育児休業等に関する規則の一部を改正する規則
〇〇市職員の育児休業等に関する規則(平成4年〇〇市規則第〇号)の一部を次のように改正する。
目次中「第4章 部分休業(第16条の2~第19条)」を「第4章 部分休業(第16条の2~第19条)/第5章 任命権者が講ずべき措置等(第20条~第22条)」に改める。
第3条(見出しを含む。)中「第2条第4号ア(ウ)」を「第2条第4号ア(イ)」に改める。
第3条の2第2号中「である者若しくは」を「(以下この号及び第20条第2項において「養子縁組里親」という。)である者若しくは」に、「、同法第6条の4第2号に規定する養子縁組里親」を「、養子縁組里親」に改める。
第16条の2(見出しを含む。)中「第19条第2号イ」を「第19条第2号」に改める。
第4章の次に次の1章を加える。
第5章 任命権者が講ずべき措置等
第20条 任命権者は、育児休業条例第23条第1項の規定により、職員に対して制度等を知らせるとともに職員の意向を確認するための措置を講ずるに当たっては、職員による育児休業の承認の請求を控えさせることとならないように配慮しなければならない。
2 育児休業条例第23条第1項のその他これに準ずる事実は、次に掲げる事実とする。
⑴ 職員が民法第817条の2第1項の規定により特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求し、当該請求に係る3歳(非常勤職員にあては、1歳。以下この項において同じ。)にみたない者を現に監護していること又は同項の規定により特別養子縁組の成立について家庭裁判所に請求することを予定しており、当該請求に係る3歳に満たない者を監護する意思を明示したこと。
⑵ 職員が児童福祉法第27条第1項第3号の規定により養子縁組里親として3歳に満たない児童を委託されていること又は当該児童を受託する意思を明示したこと。
⑶ 職員が、3歳に満たない児童の親その他の児童福祉法第27条第4項に規定する者の意に反するため、同項の規定により、養子縁組里親として当該児童を受託することができない場合において、同条第1項第3号の規定により同法第6条の4第1号に規定する養育里親として当該児童を委託されていること又は当該児童を受託する意思を明示したこと。
3 育児休業条例第23条第1項に規定する職員に対して知らせる育児休業に関する制度その他の事項は、次に掲げる事項とする。
⑴ 育児休業に関する制度
⑵ 育児休業の承認の請求先
⑶ 地方公務員等共済組合法(昭和37年法律第152号)第70条の2第1項に規定する育児休業手当金その他これに相当する給付に関する必要な事項
⑷ 職員が育児休業の期間について負担すべき社会保険料の取扱い
4 育児休業条例第23条第1項の規定により、職員に対して前項に規定する事項を知らせる場合には、次の各号のいずれかの方法(第3号に掲げる方法にあっては、当該職員が希望する場合に限る。)によって行わなければならない。
⑴ 面談による方法
⑵ 書面を交付する方法
⑶ 電子メールその他のその受信をする者を特定して情報を伝達するために用いられる電気通信(電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第2条第1号に規定する電気通信をいい、以下この号及び次項第3号において「電子メール等」という。)の送信の方法(当該職員が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
5 育児休業条例第23条第1項の当該職員の意向を確認するための面談その他の措置は、次に掲げる措置(第3号に掲げる措置にあっては、職員が希望する場合に限る。)とする。
⑴ 面談
⑵ 書面の交付
⑶ 電子メール等の送信(当該職員が当該電子メール等の記録を出力することにより書面を作成することができるものに限る。)
(勤務環境の整備に関する措置)
第21条 市長は、任命権者が育児休業条例第24条の規定により実施する同条第1号の研修の調整及び指導に当たるとともに、自ら実施することが適当と認められる育児休業に係る研修について計画を立て、その実施に努めるものとする。
2 任命権者は、育児休業条例第24条各号に掲げる措置を講ずるに当たっては、短期はもとより長期の育児休業の取得を希望する職員が希望するとおりの期間の育児休業の承認を請求することができるように配慮するものとする。
3 育児休業条例第24条第3号に掲げる措置は、次に掲げる措置とする。
⑴ 職員の育児休業の取得に関する事例の収集及び職員に対する当該事例の提供
⑵ 職員に対する育児休業に関する制度及び育児休業の取得の促進に関する方針の周知
(育児休業の取得の状況の報告及び公表)
第22条 任命権者は、毎年度(毎年4月1日から翌年の3月31日までをいう。以下この項において同じ。)、前年度における職員(任期付短時間勤務職員、臨時的に任用された職員及び育児休業条例第2条各号に掲げる職員を除く。以下この項において同じ。)の育児休業の取得の状況として次に掲げるものを市長に報告しなければならない。
⑴ 子が出生した職員の数
⑵ 当該前年度において育児休業をした職員の数
⑶ その他職員の育児休業の取得に関する必要な事項
2 市長は、前項の規定による報告を取りまとめ、その概要を公表しなければならない。
附 則
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
黄色の下線箇所は、条例案と同じでブログの仕様上表現できてないけど、「/」で改行して2行にわたった字句に改める改正だよ!
背景がグレーの部分は、規則で定めなくともいい部分です。国家公務員では人事院規則又は運用通知で定められる部分なので、自治体オリジナル規定として必要と感じたら盛り込んでみてください。
会計年度任用職員勤務時間規則改正案
〇〇市会計年度任用職員の勤務時間、休暇等に関する規則の一部を改正する規則
〇〇市会計年度任用職員の勤務時間、休暇等に関する規則(令和2年〇〇市規則第〇号)の一部を次のように改正する。
第16条第2項第6号及び第7号中「6月」の次に「以上の任期が定められているもの又は6月」を加える。
第17条第1項中「、任命権者を同じくする職(以下この項及び次条第1項において「特定職」という。)に引き続き在職した期間が1年以上であり、かつ」を削り、「特定職」を「任命権者を同じくする職」に改める。
第18条第1項中「であり、かつ」を「であって」に改め、「であって、特定職に引き続き在職した期間が1年以上であるもの」を削る。
附 則
この規則は、令和4年4月1日から施行する。
情報がほとんどない状況で作った案ということもあるけど、そもそもこの会計年度任用職員の勤務時間規則は、自治体によって様々だから改正箇所がよく分からなくて参考にならないかも。ごめんね!
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