ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。
今回は、採用試験担当を2年務め、それ以後も人事給与担当部署で採用試験を進めてきたこむぞうが、公務員試験の攻略法について自論をお伝えします。
公務員試験を受験される方は、是非御覧ください。
飽くまで自論です。試験の合否は、もっと上の役職が決定するものですので、これを守ったからといって合格できるわけではありません。御容赦ください。
面接試験の攻略法
面接試験では、自治体ごとに様々な基準、様々な質問があると思いますが、「せめてこれだけでも準備しよう!」というものを御紹介します。
- 自分を志望理由並びに自分の長所及び短所
- 受験する自治体名を検索
- 近隣市町村と比較
- 財務分析
志望理由並びに自分の長所及び短所
面接の基本ですね。これくらいは、いろんな面接対策でいわれる内容だと思うので問題ないと思います。
これは、最低条件です。
志望理由は、後述する3つの方法を踏まえて答えられるようにしましょう。
自分の長所と短所が答えられないほど自己分析ができていないのは、合格の望みは薄いのでしっかり整理しておきましょう。
目立った長所や短所でなくとも大丈夫です。周囲の人よりちょっとだけ優れている部分を長所に、ちょっとだけ劣っている部分を短所にしましょう。
自己分析の方法「好きなことから強みを探す。」
自分を見つめ直すのは、とても怖いことで、どう探すか思考が停止してしまいますよね。そんなあなたにいい方法をお教えしましょう。
これは、「苦しかったときの話をしようか」(森岡毅)で紹介されていた方法です。
①「考えることが好き」「話すことが好き」といった好きなことを動詞で50個以上付箋に書き出す(「ゲーム」「アウトドア」といった名詞はダメ)。
②付箋をT(考える力)、C(伝える力)、L(変化を起こす力)の3分類で分ける。
③多い分類がどれかを探す(多いものがあなたの強みです。)。
「そんなことで見つかるわけがない。」だなんて思わず、下手でもいいので一度やってみてください。新しい自分を見つけられるかもしれませんよ?
受験する自治体名を検索
面接試験や論文試験をして、意外と私の自治体情報を調べていない受験者をよく見ます。
試験官は、自分の自治体についてどれだけ知っているかすごく気にしています。「公務員なんてどこでも同じ。」なんて思っていると合格は遠いと思ってください。現代は、地域間競争が盛んです。
ちょっとネットで自治体名(「〇〇県」、「○○市」等)で検索すれば、自治体のWebサイトを中心に、いろいろ情報が出ると思います。必ず調べましょう。
自治体のWebサイト以外は、必要のない情報ばかり見つかってしまうこともあります。「いい情報が見つかったらいいな」くらいの気持ちで適度に探してみてください。
なお、自治体のWebサイトであれば、こういうページを探すとまとまっていていいと思います。
- 首長の公約
- 総合計画(その自治体の目指すべき将来像が書かれています。)
- SNS(情報発信をしている自治体のみですが、現場の最新情報が発信されています。)
また、自治体の先進事例は、自治体通信オンラインで探すことができます。必ず確認しておきましょう。
ほかにも、見つけにくい情報ですが、こうした取組をしている自治体もあります。
「書かない窓口」埼玉県深谷市 「ネット事前申請」千葉県千葉市
自治体は、それぞれ創意工夫でがんばっています。是非見つけてあげてください。
近隣市町村と比較
近隣市町村、つまり、受験する自治体の近くの市町村と比較しましょう。
次のようなことをやっているか、という視点で近隣市町村と比べてみるといいかもしれません。
- 子育て施策に力を入れているか(保育所の待機児童数、給食費の免除等)。
- 障害者福祉に力を入れているか(公共施設のバリアフリー化、差別解消の施策等)
- 安全対策に力を入れているか(防災、防犯、交通安全等の施策)
- 教育に力を入れているか(公立学校の増改築、奨学金等)
自治体の業務は、多岐にわたるのでこれらに限られるものではありません。
あなたの志望動機にどちらがどれだけ合うかという基準で探してみましょう。
財務分析
最も簡単に財務状況を把握するなら、財政力指数を調べましょう。
財政力指数とは、簡単にいえば、国からの援助なしで自力でどれだけお金を出せるかという指標です。
財政力指数は、総務省Webサイト「地方公共団体の主要財政指標一覧」から御確認ください。
そのほか、こちらの記事で財務状況を調べる方法を掲載していますので、どうぞ御覧ください。会社の財務状況を調べる方法と同様に調べることができます。
お金の話だなんて夢がないようなことをいいますが、自分がやりたい理想を実現できない自治体で働くのは苦しいです。よく考えておきましょう。
また、併せて給与状況についても調べてみましょう。
「給与が多く出せる」ということは、それだけ財政が安定し、健全であるということです。
給与は、毎年安定して出さなければならない費用です。必ず確保すべき支出ですから、それが高いということは、その財務はいうまでもありませんね。
多くの自治体が国家公務員と同様に給与制度を設定しますが、こちらの記事でもお伝えしているとおり、給与状況は公表されていますので、参考に御覧ください。
チェックポイント
面接試験は、志望理由並びに自分の長所及び短所のほか、受験する自治体名の検索、近隣市町村との比較及び財務分析で受験する自治体の情報収集をしておくこと。
教養試験と専門試験の攻略法
いわゆる筆記試験です。
筆記試験は、採用試験担当者は結構気にしています。しっかり勉強しましょう!
まず、教養試験については、過去問等で勉強するのが安上がりですね。
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もし専門試験もある場合は、こちらの過去問(保育士と技術系のものは、専門職の例)も使ってみましょう。
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私もこれで勉強したタイプです。
しかし、いつも思いますが、これ、どうやって問題を入手しているんでしょう・・・?
私たちは、問題を提供なんてしていないのですが・・・。
確実に学んで高得点を狙っておきたい人は、公務員試験予備校に行って本格的に学んでおくのもいいと思います。
身近なところでは、「資格の大原」で対策をしている人を見かけます。
ここで対策をしている受験者っているよね。
結構身近なんだろうね。
また、採用後のことも踏まえると法律に強くなれる公務員試験予備校だと安心です。
伊藤塾は、法律を学びたいと考える全ての人にとって、いつでもどこでも頼れる存在を目指しているため、こちらもおすすめです。
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公務員試験の地方上級コースは、WEBで行うので全国の誰でも受けられます。
国家総合職に80パーセント以上が合格しているので、かなりいいのではないでしょうか?
チェックポイント
教養試験と専門試験は、費用を抑えるなら過去問、高得点を確実に狙うなら公務員試験予備校を利用すること。
論文試験の攻略法
これについては、論文テーマごとの対策をするのは難しいので、少なくとも書き方だけでも学んでおきましょう。
よくあるのが、三段論法です。
三段論法は、大前提、小前提、結論の順で構成される論じ方で、「演繹法」(えんえきほう)のうちの一つです。
例えば、次のようになります。
- 全ての人間は死すべきものである(大前提)
- ソクラテスは人間である(小前提)
- ソクラテスは死すべきものである(結論)
法学部の学生だとこういった論文回答方法を学んでいたりします。その点は、有利かもしれませんね。
これだけでも学んでおいてください。
与えられた論文テーマについて、決して「誰も思いつかないような先進的なことを書けるようになろう」だとか思わないようにしましょう。
そんなすごいことを思いつくのであれば、誰かが思いついて既にもっといい世の中になっています。
それよりも重要なのは、論理的に説明できるかです。
数多くの論文解答を採点してきましたが、これができている受験者がほとんどいません。残念ですね。
ちなみに私の自治体では、私がこういっているとおり、先進的なことが書けていなくとも論理的に論じられていれば、結構いい点数が取れます。
もし既に論理的に論じることができるのであれば、次の視点で情報収集をし、答えられるようにしておきましょう。
- 上述の面接試験対策と同じ情報収集
- 世の中の課題
- 自分の周囲の課題
この対策の理由は、もちろんあらかじめ知っていることの話題であれば論じやすいからです。
難しいテーマであれば、せめて言葉の意味だけでも把握しておきましょう。
チェックポイント
論文試験は、三段論法で書けるようにすること。
その他専門職用の試験の攻略法
次のような事務職でない専門職について、上述のもの以外にも専門性を見る試験があるかもしれません。
- 保育士
- 保健師
- 技師
- 消防職
- 学芸員
- その他
私の自治体では、専門性の高さについて重視しません。
もちろん専門性が高い方がいいのですが、それよりも公務員の適正を重視します。
その専門職の資格があるならば、その資格自体に専門性があるので、多くの場合は、この時点で専門性についてはクリアしていると考えています。
それよりも、公務員としてやっていけるかということが重要です。
チェックポイント
専門職用の試験より公務員の適正を見られる試験を重視すること。
採用試験対策のまとめ
さて、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。
ここで上述のことを簡単にまとめますね。
- 面接試験の攻略法
面接試験は、次の点について受験する自治体の情報収集をしておくこと。
・志望理由並びに自分の長所及び短所
・受験する自治体名の検索
・近隣市町村との比較
・財務分析- 教養試験と専門試験の攻略法
- 費用を抑えるなら過去問、確実に高得点を狙うなら公務員試験予備校を利用すること。
- 論文試験の攻略法
- 三段論法で書けるようにすること。
- その他専門職用の試験の攻略法
- 専門職用の試験より公務員の適正を見られる試験を重視すること。
公務員になりたいという気持ちが採用という結果で叶うことを願っています。
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