公務員の給与状況は、毎年公表されています。

人事給与
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 こむぞうです。

 公務員の給与状況は、実は団体ごとで必ず公表されているって知ってましたか?

 特に地方公務員の給与は、自治体ごとに条例で定められます。余程国家公務員と大差ないと思いますが、中には国家公務員の給与水準よりも高いところがあったりします。

 公務員になろうと思っている方は、参考にしてみてください。

給与・定員管理等の状況とは

 毎年4月30日までに、各自治体の職員給与等は、「給与・定員管理等について」といった名称で各ホームページ等で公表されています。「地方公共団体における職員給与等の公表について」(昭和56年10月13日付け自治事務次官通知)で行うようにされているためですね。これは、。¥全自治体へのリンクの総括ページが、次の「地方公共団体給与情報等公表システム」です。ここから各自治体の公表ページにつながります。

 地方公共団体給与情報等公表システム(総務省)

 公表項目は、主に次の内容があります。

  • 一般行政職、技能労務職等の職種ごとの給与の状況と類似団体又は国との比較
  • 特殊勤務手当に含め全ての手当の状況
  • 給料表の級ごとの職員数のグラフ
  • 特別職(市町村長、副市町村長、教育長等)の報酬等の状況
  • 定員の類似団体等との比較、年齢別の人員構成グラフ等

 ちなみに「一般行政職」というのは、税務職、福祉職、企業職、教育職等といった特定の職種以外の全ての職ですね。「技能労務職」というのは、自動車運転手、電話交換手、学校用務員、調理員等といった職です。

 公表項目は、「地方公共団体における職員給与等の公表について」(昭和56年10月13日付け自治事務次官通知。以下「昭和56年通知」を定期的に改正して改められています。

なぜ職員の給与等を公表するのか。

 地方公共団体は、住民、議会等に対して説明責任が求められます。例えば、財政運営、組織運営等ですね。これらの各種情報を公開し、効果的・効率的に業務を遂行していくことが求められます。また、最近頻繁に起こる災害、特に記憶に新しいのは新型コロナウイルス感染症ですね。これらの危機において、地方公共団体に対する住民の期待が高まっています。公務の信頼性がより一層求められることとなり、説明責任の重要性が発生していますので、昭和56年通知により毎年公表することとなります。

職員給与等の公表の経緯

 さて、なぜ職員給与等の公表を行うこととなったか、その経緯を御紹介します。この項目については、かなり細かい内容になりますので、担当職員ですら知りません。興味のある方だけどうぞ。

 まず昭和50年代以降、2度の石油危機等により税収減や景気対策のための積極的な公共投資等によって、国、地方ともに慢性的に財源不足となりました。

 昭和56年3月に「増税なき財政再建」を基本方針として掲げた第二次臨時行政調査会が歳出の徹底的削減のための方策が提言。この調査会は、地方に対し、次の点について重要な課題として指摘しました。

  • 組織機構の見直し
  • 職員の定数の適正化
  • 職員の給与及び退職手当の適正化

 昭和56年8月25日付けで「行政改革に関する当面の基本方針」が閣議決定で示され、人件費を向けた財政の立て直しが行われました。特に今回の職員給与等の公表という点で重要なのは、次のとおりその基本方針で明記されたということですね。ここから動き出します。

「給与について、住民の納得が得られるものとするため、職員の給与の実態を住民に公表する方法について検討し、指導する」

行政改革に関する当面の基本方針(昭和56年8月25日付け閣議決定)抜粋

 昭和56年10月13日付けで昭和56年通知が自治事務次官から発出。地方公務員の給与が地域住民の租税負担により賄われていることを勘案し、適切な公表に努めるよう次のとおり求められました。

「職員給与等の公表は、各地方公共団体の職員給与の実態を住民が身近に知りうる状態にすることにより住民の真摯な関心を期待し、更に各地方公共団体の議会においてより充実した審議が進められ、地方公務員の給与について地域住民のより一層の納得と支持が得られるようにする一助として行うものである」

地方公共団体における職員給与等の公表について(昭和56年10月13日付け自治事務次官通知)

 その後、人口減少の到来、住民ニーズの高度化・多様化等の社会情勢の変化への対応が求められる中、地方公共団体における行政改革の進捗状況に対し、国民の厳しい視線が向けられ、更なる改革が進められることとなりました。

定員・給与等の状況の公表については、平成 16 年の地方公務員法の改正により、全地方公共団体に人事行政運営等の状況の公表に関する責務が課された趣旨も踏まえ、未だこれを公表していない団体にあっては、速やかに実施すること。

地方公共団体における行政改革の推進のための新たな指針(平成17年3月29日付け総務事務次官通知)抜粋

 人事行政運営等の状況の公表に関する地方公務員法で定められた責務は、次のとおりです。

「「新地方行革指針」に基づき地方公共団体が住民に公表する「集中改革プラン」について、総務省は、改革の進捗状況を他団体と比較可能な形で、一覧できる適切な指標により、情報を提供する。また、地方公共団体の協力を得て、給与情報(給料・各種手当・級別職員数等)及び財政状況について団体間の比較分析を可能とする公表システムを平成 17 年度中に構築する。」

経済財政運営と構造改革に関する基本方針 2005(平成17年6月21日付け閣議決定)抜粋

 平成16年の地方公務員法の改正により、平成17年4月から給与及び定員を含めた人事行政の運営等の状況の公表が全ての地方公共団体で法的義務化となりました。

第五十八条の二 地方公共団体の長は、前二項の規定による報告を受けたときは、条例で定めるところにより、毎年、第一項の規定による報告を取りまとめ、その概要及び前項の規定による報告を公表しなければならない。

地方公務員法(昭和25年法律第261号)第58条の2第3項

 これを受けて、職員給与の公表は、地方公務員の給与及び定員管理の状況について透明性を高め、住民の一層の納得と支持が得られるようにするとともに、地方分権に対する国民の理解と共感を得る上でますます重要な意義を持つものとなっているとして、その取組をより一層充実させるため、昭和56年通知を全部改正。この改正により、次のとおり要請がされています。

  • 給与、定員管理等の状況
  • 各地方公共団体のホームページ上で公表を行うこと。
  • できるだけ多くの住民に周知するため、広報や各般の施設を広報する広報誌、広報チラシ等を利用する方法も併せて行うことが望ましいこと。
  • 広報誌を利用する際、誌面等の都合上、公表と同じものを掲載できない場合には、概要版を掲載した上で、詳細な内容はホームページで閲覧できる旨記載することが適当であること。
  • 住民によりわかりやすく情報を提供するという観点から、適宜記載要領、比較対象、表、グラフ等を追加するなどの工夫を積極的に行うことが望ましいこと。

人事給与担当者の想い

 さて、ここからは、長く人事給与担当を続けてきたこむぞうの個人的な疑問です。

 皆様、それぞれの自治体で公表されている人事行政の運営等の状況の公表って見たことありますか?この地方公務員法(昭和25年法律第261号)第58条の2で義務付けされている人事行政の運営等の状況の公表とこの職員給与等の公表は、かなり似通っています。その上で、つい次のようなことも思います。

  • 地方公務員法第58条の2で義務付けされている人事行政の運営等の状況の公表に一本化すれば十分ではないか。
  • 根拠が国の通知である職員給与等の公表を行う必要があるか(しかも繁忙期である4月に。)。

 でもこの点については、愛知県から(愛知県から指摘されるのだから恐らく国からも)指摘されてしまうのですよね・・・。結構大変なんですよ。う~ん、どうにかしてもらえませんか?エラい人!

アガルートアカデミー

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