意外?自治体でも財務分析をするんです。

公務員のあれこれ
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 ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。

 企業には、売上高、営業利益、営業利益率、自己資本比率、営業活動によるキャッシュフロー、現金等、配当性向等を見て財務状況がいいか確認をしますが、自治体でも似たようなことはできます。ちょっとその当たりをまとめてみました。

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流動比率

 来年返済しなければならない借金(流動負債)に対して、来年現金化されるもの(流動資産)がどれだけあるかというもの。短期支払能力があるかどうかの指標。貸借対照表(財務諸表という名前の書類にあるかも)にあります。

 流動比率=流動資産÷流動負債×100

 100パーセントはないと、減るばかりなので、当然値が高いほうがいい。

 企業でも業種により基準が様々であるように、自治体も様々です。もはや、自治体を横並びにして考えるしかありません。

 愛知県内市町村であれば、平均値は、267.8パーセントでした。

こむぞう
こむぞう

・・・200パーセントもあれば十分安全圏だと思いますけどね。資産が減らないように、100パーセントはもちろん欲しい。一部の自治体で1,000パーセントを超えているところもあって跳ね上がってしまいましたね。1,000パーセント・・・。なんてすごい・・・。

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自己資本比率

  他人に返却しなくてよい資本が全体のどれくらいあるか。つまり、自力でやりくりできるかどうかの指標。貸借対照表(財務諸表という名前の書類にあるかも)にあります。

 自己資本比率=純資産÷総資産×100

 ※「総資産」は、貸借対照表上は、「負債及び純資産合計」「負債純資産合計」といった用語だったりする。

 企業なら40パーセント以上だったら倒産の可能性が数パーセントといいますが、自治体でこれを当てはめていいかは、よくわかりませんね。

 企業であれば40パーセントあれば倒産の可能性がほぼないレベルです。

 さて、愛知県内市町村の平均値はというと、79.0パーセントでした。

 企業でこれだけあったらすごい優良企業でしょうね。自治体の自己資本比率ってすごいんですね。これが平均的な数値か・・・。

キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローとは、現金の流れのことです。

 業務で現金を生み出したか(業務活動収支)、どんな投資をしたか(投資活動収支)、どんな資金調達をしたか(財務活動収支)を把握します。

 企業では、

  • 業務活動収支=営業活動によるキャッシュ・フロー
  • 投資活動収支=投資活動によるキャッシュ・フロー
  • 財務活動収支=財務活動によるキャッシュ・フロー

と呼ばれていますね。

 財務諸表のうち、「資金収支計算書」(企業なら「キャッシュ・フロー計算書」)というもので分かります。

キャッシュ・フローがどうなるとよい?

 バランスが大切です。大きく分けて次の2つになると思います。

  • バランス型:業務活動収支で得た現金から投資活動を行う。
  • 事業拡大型:業務活動収支で得た現金を超えても投資活動を行う。

 不足するものは、財務活動等で資金調達してやりくりすることとなりますね。

 いうまでもなく、バランス型が最も安全ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止等のように政策的に事業拡大型にならなければならない場合もありますので、一概にはいえないと思います。

キャッシュ・フローのバランスの確認方法

 資金収支計算書(企業ならキャッシュ・フロー計算書)で次の項目のバランスを確認

  • 業務活動収支(営業活動によるキャッシュ・フロー)
  • 投資活動収支(投資活動によるキャッシュ・フロー)
  • 財務活動収支(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 できれば、業務活動収支の範囲で投資活動をし、財務活動で現金残高を確保するのがいいので、

 業務活動収支ー投資活動収支ー財務活動収支>0

といったところでしょうか?しかし、実際は政治の話なので、投資活動が大きくなりやすいのが現実だと思いますけどね。

愛知県内市町村の状況

 思い立って、愛知県内の市町村で、令和元年度(このブログ掲載時点ではこれが最新。また、一部資料がないため、令和元年度前の過去データや連結会計)の流動比率と自己資本比率が分かる表を作ってみました。

 こうしてみると、「へぇ、あの大きな自治体、流動比率が低いの!?」とか「あの小規模の自治体の自己資本比率、90パーセント超えてるの!?」とかって、いろいろ発見がありますね。

 キャッシュ・フローについては、バランス型は28、事業拡大型は23で、おおむね半々。資料の最新のものがまだ令和元年度までしかないので、コロナショックのあった令和2年度がどのようになったか気になります。きっと事業拡大型が増えているのでしょう。

 業務活動収支で赤字になっているところは、きっと大変でしょうね。自治体は、お金を稼ぐことができないので、知恵を振り絞ってなんとかしなければいけません。この点の悩みは、どこの自治体もこの同じですが、業務活動収支でプラスがないと更に厳しいでしょう。

 ちなみに愛知県のサイトの「新地方公会計制度に基づく財務書類の作成状況について」から全市町村の財務書類データを入手して作りました。

こむぞう
こむぞう

リンク先がときどきつながってなかったりするので直接その市町村のホームページにアクセスして入手したりもしましたが・・・。

簿記の知識を活用しよう。

 このような財務分析は、簿記の知識があると一層活用できます。

 3級くらいなら独学でも難しくありませんが、それ以上ともなると真剣に学ぶ必要があります・

 とはいえ、よくある資格取得講座はなかなか時間が取りにくいと思います。

 そのようなときは、初月無料で経理の仕事に役立つ150以上の動画が学べるサイト【Accountant’s library】がおすすめです!

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 災害やコロナがいつ起こるか分からない大変な中、一層の財政基盤が必要となってきます。

 この能力は、とても重要になってきますので、しっかりとした簿記の知識を得て、安定した財政基盤を作っていきましょう!

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