【お得な割引】あいち県民の日は、愛知県民が1週間楽しむチャンス！

　ブログ「公務員ってどうなの？」のこむぞうです。

　あなたは、都道府県民の日を御存じですか？簡単にいえば、その都道府県の記念日ですが、都道府県によっては、その都道府県民の日に公の施設の使用料等を減免するので、その都道府県の住民にとってはお得な日になることがあります。

　しかし、この都道府県民の日（秋田県の「県の記念日」、京都府の「京都府開庁記念日」、愛媛県の「愛媛県政発足記念日」等の条例で定めた日ではないものは、この記事では除きます。）は、愛知県を含めて17の都道府県でのみ定められたものなので、どこにでもあるというわけではありません。

　愛知県は、県政150周年を記念して令和4年12月23日に条例を定めたため、今回解説したいと思います。

あいち県民の日は、11月27日

　愛知県の都道府県民の日である「あいち県民の日」は、あいち県民の日条例（令和４年愛知県条例第50号）第1条第2項の規定により、11月27日となりました。

　あいち県民の日を11月27日としたのは、明治5年（1872年）4月当時の愛知県（同月2日の改称前は、名古屋県）が額田県と併合し、「現在の愛知県」が誕生したのが明治5年11月27日だったからです。「現在の愛知県」までの変遷については、こちらの図を御覧ください。

あいち県民の日条例

　あいち県民の日を定めたあいち県民の日条例は、このようになっています。

　あいち県民の日条例は、他の都道府県民の日を定める条例と異なり、次の特色があります。

　前文がある理由については、愛知県が県政150周年を迎えたことを切っ掛けとしてあいち県民の日を定めたという経緯と想いを定めるためです。

　本県は、千八百七十二年十一月二十七日に誕生してから、二千二十二年をもって百五十周年を迎えた。

　本県が、我が国屈指の産業力を備えた大都市圏を形成するなど、大きく成長できたのも、先人たちのたゆまぬ努力の賜物である。そうした先人たちの英知を受け継ぎ、次の世代へとつなげていくことは、これからの本県の発展にとって重要である。

　このため、県政百五十周年を契機にあいち県民の日を創設し、県民一人一人が、愛知の歩みを振り返りつつ、愛知の魅力を再発見するとともに、次なる時代に向け新たな創造の基盤を積み重ねることで、県民がともに支え合い、希望と誇りを持つことができる愛知の実現を目指し、ここにこの条例を制定する。

あいち県民の日条例前文

　事業の実施に1週間を設けるのは、後述する「あいちウィーク」が関係しています。

この期間のどこかで休みを取ろう！という施策「あいちウィーク」

　あいちウィークは、簡単にいえば、あいち県民の日を含む1週間のどこかで休暇を取ってもらいたいという施策です。

　このあいちウィークは、国民の休み方について次の課題があり、その課題解消の一助とするために作られました。

　あいち県民の日条例は、このあいちウィークを定めることを踏まえて制定されています。あいち県民の日条例第2条第1項に規定する期間（11月21日から同月27日までの１週間）は、条例上明確に名称を定めていませんが、「あいちウィーク」のことです。この期間に事業者や市町村の協力を得て、県民の日をＰＲする催しなどを実施するとしています。

　都道府県民の日1日に特別な事業を行う都道府県はありますが、条例で1週間も実施期間を確保するのは、愛知県くらいではないでしょうか？

　あいち県民の日条例案の作成当初は、「あいちウィーク」という名称こそ決まっていなかったものの、あいちウィークの構想はありました。あいちウィークを効果的なものとするため、あいちウィークの期間に博物館、美術館等の公の施設の減免を行い（後述）、愛知県民が休暇を取得しやすくするようにしたのがあいち県民の日条例第3条第1項です。

第三条　知事又は地方自治法（昭和二十二年法律第六十七号）第二百四十四条の二第三項に規定する指定管理者若しくは民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律（平成十一年法律第百十七号）第九条第四号に規定する公共施設等運営権者（以下「知事等」という。）は、前条第一項に規定する期間における公の施設の利用に係る使用料又は当該利用に係る料金で、知事が定めるもの（以下「対象使用料等」という。）について、当該対象使用料等に係る条例の規定にかかわらず、その全部又は一部を免除することができる。

あいち県民の日条例第3条第1項

県民の日学校ホリデー

　あいちウィークの期間中のどこか1日は、愛知県内の公立学校が1日休業日となります。これは、愛知県「休み改革」プロジェクトの一環として定められました。

　子どもの学校が休業日になるなら親も休む流れに持っていく施策です。

あいちウィークは、公の施設の使用料等が無料又は割引になる！

　あいちウィークの期間における愛知県の公の施設の利用に係る使用料等は、あいち県民の日条例第3条第1項の規定により減免することができることとなりました。

　使用料等の減免内容は、あいち県民の日条例第3条第2項の規定によりあらかじめ公表することとされています。公表の方法は、条例では定められていませんが、告示とのことです。愛知県公報のほか、様々な御案内をチェックしましょう。

他の都道府県民の日

　一方、他の都道府県民の日は、次のようになっています。

都道府県	名称	都道府県民の日	由来	条例
東京都	都民の日	10月1日	明治31年（1898年）10月1日に市制特例（市民の市政参加を制限する特例）の廃止により新たな東京市が誕生	都民の日条例（昭和27年東京都条例第75号） 昭和27年（1952年）9月27日公布
茨城県	県民の日	11月13日	明治4年（1871年）11月13日に初めて茨城県という県名が用いられた（統廃合により茨城県、新治県及び印旛県が誕生）。	県民の日を定める条例（昭和43年茨城県条例第3号） 昭和43年（1968年）3月30日公布
埼玉県	県民の日	11月14日	明治4年（1871年）11月14日に初めて埼玉県という県名が用いられた（統廃合により埼玉県及び入間県が誕生）。	県民の日を定める条例（昭和46年埼玉県条例第58号） 昭和46年（1971年）10月15日公布
三重県	県民の日	4月18日	明治9年（1876年）4月18日に旧三重県と度会県が合併して現在の三重県が誕生	県民の日条例（昭和51年三重県条例第2号） 昭和51年（1976年）3月29日公布
福井県	ふるさとの日	2月7日	明治14年（1881年）2月7日に置県。石川県及び滋賀県から坂井郡、吉田郡、足羽郡、大野郡、丹生郡、今立郡、南条郡、敦賀郡、三方郡、遠敷郡及び大飯郡が統合し、現在の福井県が誕生	ふるさとの日に関する条例（昭和57年福井県条例第1号） 昭和57（1982年）3月23日公布
千葉県	県民の日	6月15日	明治6年（1873年）6月15日に当時の木更津県と印旛県が合併して千葉県が成立	県民の日を定める条例（昭和59年千葉県条例第3号） 昭和59年（1984年）3月26日公布
群馬県	群馬県民の日	10月28日	明治4年（1871年）10月28日に初めて群馬県という県名が用いられた（現在の高崎市と前橋市の大部分を含み栄えていた群馬郡の名前を取って県名とし、第1次群馬県が成立）。	群馬県民の日を定める条例（昭和60年群馬県条例第5号） 昭和60年（1985年）3月30日公布
栃木県	県民の日	6月15日	明治6年（1873年）6月15日に当時の栃木県と宇都宮県が合併して、おおむね現在の栃木県と同じ県域の栃木県が誕生	栃木県県民の日に関する条例（昭和60年栃木県条例第27号） 昭和60年（1985年）9月30日公布
山梨県	県民の日	11月20日	明治4年（1871年）11月20日に甲府県を廃し山梨県と改めた。	県民の日条例（昭和61年山梨県条例第1号） 昭和61年（1986年）3月26日公布
和歌山県	ふるさと誕生日	11月22日	明治4年（1871年）11月22日に和歌山県、田辺県及び新宮県が合併して現在の行政区画を持った和歌山県が誕生	ふるさと誕生日条例（平成元年和歌山県条例第38号） 平成元年（1989年）7月10日公布
静岡県	県民の日	8月21日	明治9年（1876年）8月21日に静岡県と浜松県が合併して現在の静岡県が誕生	静岡県県民の日条例（平成8年静岡県条例第23号） 平成8年（1996年）3月28日公布
福島県	福島県民の日	8月21日	明治9年（1876年）8月21日に旧福島県、磐前県及び若松県が合併して現在とほぼ同じ福島県の姿が誕生	福島県民の日条例（平成9年福島県条例第61号） 平成9年（1997年）7月11日公布
鳥取県	とっとり県民の日	9月12日	明治14年（1881年）9月12日に再置（明治9年（1876年）8月21日に島根県に合併されていた。）	とっとり県民の日条例（平成10年鳥取県条例第13号） 平成10年（1998年）6月26日公布
富山県	県民ふるさとの日	5月9日	明治16年（1883年）5月9日に置県（石川県から分県）	県民ふるさとの日を定める条例（平成25年富山県条例第9号） 平成25年（2013年）3月27日公布
北海道	北海道みんなの日	7月17日	明治2年（1869年）7月17日に北海道の名付け親とされる松浦武四郎（江戸時代から明治にかけて活躍した探検家）が明治政府に対し「北加伊道」という名称を提案	北海道みんなの日条例（平成29年北海道条例第39号） 平成29年（2017年）3月31日公布
鹿児島県	県民の日	7月14日	明治4年（1871年）7月14日に廃藩置県	鹿児島県県民の日を定める条例（平成30年鹿児島県条例第45号） 平成30年（2018年）12月25日公布

お勧めするのは、美術鑑賞

　あいち県民の日とあいちウィークは、以上のようなお得な期間となっています。

　特に私がお勧めするのは、美術鑑賞です。

　美術鑑賞をすると、創造性を鍛えることができます。創造性を鍛えると次のメリットがあります。

　なお、これは、書籍「学び効率が最大化するインプット大全」で紹介されています。

　あいち県民の日については、以上です。愛知県内の公の施設の使用料等が減免されるあいち県民の日とあいちウィークを是非御活用ください！