ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。
私は、公務を進めていく上で、難しい内容になってしまうと思考が停止しまうことがあります。
上司に指摘されて、「ああ、その点については何も考えてなかった。」と思うこともしばしば。頭が真っ白になって何も答えられないこともあります。
「考える」って、頭で何をどうすればいいのでしょうね?
そんな疑問を抱いていたときに出会ったのが、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」です。
内容は、フランスの高校生が学ぶような内容みたい。
フランスは、芸術の国だと思っていたから感性が優れているイメージだったよ。議論することが習慣なんだね。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」の副題からすると哲学者の言葉を引用して思考について説明されるようなイメージでしたが、そうではなく、議論を楽しむ国民性を持つフランスを例に出しながら、説明がされています。
では、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」を読んだ上で、私なりの迷ったときの思考方法をお伝えします。是非参考にしてください。
問いを立てる。
まずは「問い」を立てます。
人は、問いを立てることで、なぜか答えたくなります。書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、クイズを例に出されていましたが、クイズが出されたら答えたくなるのと同じですよね。この性質を利用します。
その問いを立てることが難しいんじゃない?
では、そのヒントを説明しよう。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、問いを立てるための10の質問リストや練習問題が作られており、問いを立てる段階で読者が立ち止まらないよう丁寧な説明がされています。
とはいえ、いつも書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」を見ていられないこともあるので、この書籍から私が学んだ問いの立て方「自問自答リスト」を紹介しておきます。
- 前提条件が正しいか(「そもそも」「なぜ〇〇なのか」と口に出してみる。)。
- 目的は何か。
- 必要なものは何か。
- 可能なことは何か。
- すべきこと又はした方がよいことは何か。
問いは、思考の幅を広げる役割を果たしてくれます。大切に問いを立てていきましょう。
また、問いを立てるためには、日常の驚きや他人の視点が重要です。日常の驚きや他人の視点から「気づき」を得て、問いを立てることにつながるからです。
いつも「気づき」を得られるよう過ごしていきたいですね。
「気づき」を得るという点で、プライベートは大事だね。
仕事に追われる毎日になると思考停止になりがちなのは、「気づき」を得られないからなんだな。
言葉を定義する。
相手との会話で、かみ合わない経験ってありませんか?
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」の著者は「話がかみ合わない原因は、言葉のズレ」と主張しますが、そのとおりだと思います。
「普通」って言われると、OKかNGかよく分からないことがある・・・。
私は、「使うのが一般的」と答えて、「一般的ってどうすればいいこと?」と言われたことがあります・・・。
「文脈を読む」、「察する」、「空気を読む」等は、日本の文化らしい特徴ですが、お互いが認識している言葉が一致しないと、お互いの聞きたい内容がいつまでも聞くことができないので、もやもやしますね。
つまり、相手と話すとき、まずは、定義することが大事ということです。
簡単に定義する質問フレーズが書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」で紹介されていましたので、少し補足等をして紹介します。
- どのように使われる言葉か。
- 辞書の説明は何か。
- 反対語は何か(反対語ではないものが、定義したい言葉になる。)。
また、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、会話で相手と言葉のダイヤルを合わせる質問も次のとおり紹介されていました。
- 相手の言葉を自分なりに言い換える。
- 自分がどう解釈したかを伝える。
- 相手に「その言葉、どういう意味で使ってる?」と聞いてみる。
このほか、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、具体例、練習問題等があり、詳しく解説されています。詳しく知りたい場合は、是非御覧ください。
言葉を定義すると、相手との認識がずれずに議論を進めることができます。曖昧にすることなく、確認し合いましょう。
物事を疑う。
「物事を疑う」とは、「本当にそうかな?」と自分に問いかけることです。
つまり、ここでいう「疑う」とは、「答えを出すことを停止すること。」又は「何かについて判断することを停止すること。」です。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、物事の疑うときの視点について次のとおり紹介されていました。
- 正当性があるか疑う(「それって本当に正しい?」等)。
- 他のアプローチがないか疑う(「これが最善の解決法なのか?」等)。
- あえて強調して疑う(「〇〇であれば必ず△△であると言えるか?」等)。
このほか、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、物事を疑う方法についても具体例、練習問題等があり、詳しく解説されています。是非御覧ください。
物事を疑わずにいるのって楽ですよね。前例踏襲なんて最たるものです。
しかし、物事を疑わずにいることについて、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では次第に自分の意見を持てなくなると主張されています。
物事を疑うと、与えられた条件、前提等をそのまま鵜呑みにすることなく、適切な判断をすることができます。一度立ち止まって自分に問いかけてみましょう。
私は、思ったままに決めちゃうから、一度立ち止まった方がいいな。
私も慣れてくると、即断即決してしまうから気を付けたいな。
考えを深める。
「考えを深める。」とは、ある事柄を複数の角度から掘り下げていくことです。
考えを深めると、表面的な見方で満足したり、会話をどう続ければいいんか悩んでしまうことが少なくなります。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、人の主張のタイプは主に次の4つがあると主張しています。
- 道具(効率や利便性を重視した主張。「役に立つ。」等と主張する。)
- 経済(費用を最小限に抑え、利益を最大限に増やすことを重視する主張。「コストパフォーマンスがいい。」等と主張する。)
- 論理(論理の一貫性を重視する主張。「根拠がない。」等と主張する。)
- 良識(法律、ルール、常識等を重視する主張。「不当」、「権利の侵害」等と主張する。)
主張のタイプを分けられると、折り合いをつけたり、対応しやすくなります。「道具」タイプの主張に対して「経済」タイプの主張をぶつけてみたりするなど、いろいろ試してみましょう。
「論理」タイプと「良識」タイプの区別が難しい・・・。
複数のタイプに当てはまることもあります。どのタイプの主張か見極めていきましょう。
また、書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、考えを深めるためのプランとして次の3つのプランを紹介しています。できれば誰かと一緒にやってみてください。
弁証法プラン
弁証法とは、ある命題(テーゼ)と対立関係にある命題(アンチテーゼ)を統合し、より高い次元の命題(ジンテーゼ)を導き出す止揚(アウフヘーベン)の考え方を土台とした思考法です。
よく分からない・・・。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」では、こんな感じで分かりやすい説明をしているよ。
「Aだ!」「いや違う、Bじゃないか?」「いやいや、AでもBでもない。Cだ!」といった感じで論を展開していくだけのことです。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」
分かりやすい!
意見をけんかさせて別のいい意見を出す方法ってことですね。
分析プラン
分析プランは、最初に物事の状況を分析し、原因を突き止め、次にその結果を予想する(又は解決策を提示する)という流れで考えます。
これは、よくやることじゃないかな?
仕事上、問題が起きて対処することが多いので、分析プランを使いがち。
テーマ別プラン
テーマ別プランは、物事を様々な視点(できれば3つ以上の視点)から見てみようというプランです。
政治、経済、環境、健康等の様々な視点で見れば、思考を掘り下げることができます。
これは一人じゃ難しいかも。
是非誰かを誘ってやってみてください。
答えを出す。
思考方法の最後「答えを出す。」です。結論を出します。
結論を出すのに当たり、慎重になるべきなのは、次の2つのパターンがあります。
- 演繹的思考(一般的な事実や前提から個別の結論を明らかにする思考)
- 帰納的思考(個別の事例から普遍的な答えを出す思考)
私たちの業務だと、他市町村の事例等を集めて、どのような政策がいいか結論を出したりするので、帰納的思考が多くなりそうですね。
しかし、帰納的思考の欠点は、全体に当てはめていいかの判断が難しいところがあります。隣の市町村で成功しているからといって、自分たちがやってみてうまくいくかは別問題です。自団体に当てはめられるかは、よく分析して見極めましょう。
最後に
以上が自分の意見を作る思考方法でした。
まとめると、自分の意見を出すためには、次の5つについて考えることになります。
- 問いを立てる。
- 言葉を定義する。
- 物事を疑う。
- 考えを深める。
- 答えを出す。
どの順序で思考しても構いません。もれなく行い、自分の意見を出せるように整理しましょう。
書籍「「自分の意見」ってどうつくるの?」は、とてもいい本でした。
問題につまづいて行き詰まったとき、この本に戻ってみるといいと感じられた本です。
是非読んでみてください。
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他にもいい本を紹介している記事があるから、見てみてね。
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