副業禁止?どうすればいいの?公務員の副業(兼業)

人事給与

 こむぞうです。

 今回は、結構人気の話題「公務員の兼業」について御紹介します。

こむぞう
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「副業」の方がよく聞くと思いますが、国家公務員が「兼業」としているので記事内容は「兼業」で統一します。

 公務員は、原則として兼業が禁止されています。しかし、許可を取れば兼業をしても問題ありません。例えば、地方公務員であれば、次のように定められています。

第三十八条 職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。ただし、非常勤職員(短時間勤務の職を占める職員及び第二十二条の二第一項第二号に掲げる職員を除く。)については、この限りでない。

地方公務員法(昭和25年法律第261号)第38条第1項

 しかし、どのような兼業が認められているかはっきりしません。現状もはっきりしていないのが実情ですが、私なりに調べた結果を御紹介したいと思います。

 なお、兼業は、公務員としての能力を補うためにもやった方がいいと思っています。「稼ぐ力」の一つとして検討してみてください。

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許可の基準

 兼業の許可(なお、地方公務員だと「営利企業等従事許可」といいますが、この記事では、「兼業」で統一します。)には、それぞれの自治体で基準があります。

 例えば、国家公務員であれば、原則として次のとおり「職員の兼業の許可について(昭和41年2月11日総人局第97号)」で許可基準が定められています。

  • 兼業のため勤務時間をさくことにより、職務の遂行に支障が生ずると認められるとき。
  • 兼業による心身の著しい疲労のため、職務遂行上その能率に悪影響を与えると認められるとき。
  • 兼業しようとする職員が在職する国の機関と兼業先との間に、免許、認可、許可、検査、税の賦課、補助金の交付、工事の請負、物品の購入等の特殊な関係があるとき。
  • 兼業する事業の経営上の責任者となるとき。
  • 兼業することが、国家公務員としての信用を傷つけ、又は官職全体の不名誉となるおそれがあると認められるとき。

兼業の許可期間

 私は聞いたことがありませんが、許可期間があることもあります。

 例えば、国家公務員であれば、原則として次のとおり許可期間が定められています。

3 兼業の許可は、原則として、2年をこえない期間について与える取扱いとされたいこと。

「職員の兼業の許可について(昭和41年2月11日総人局第97号)」
こむぞう
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2年を経過して許可が欲しいときは、もう一度申請が必要ということだと思います。

 

兼業の上限時間数

 兼業に上限時間数が定められていることがあります。国家公務員では、上記の兼業の許可基準の「兼業による心身の著しい疲労のため、職務遂行上その能率に悪影響を与えると認められるとき。」を満たすため、「「職員の兼業の許可について」に定める許可基準に関する事項について(平成31年3月28日閣人人第225号)」で兼業の時間数に上限が設けられています。

 次の時間数を超える兼業は、心身の著しい疲労となる兼業とされ、許可が認められません。

  • 週8時間
  • 1か月30時間
  • 勤務日においては、1日当たり3時間
こむぞう
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ちなみに私の所属団体では、特に基準はありませんが、さすがに本業と兼業を合計して産業医の面談を受けなければいけない時間数だと少し所属と話し合っていただきたいところですね。その職員の健康が心配です。

許可される兼業先と許可されない兼業先

 兼業先についても、認められるものが決まっていることがあります。国家公務員では、次のとおり「「職員の兼業の許可について」に定める許可基準に関する事項について(平成31年3月28日閣人人第225号)」で決められています。

 原則として許可される兼業先

  • 国、地方公共団体、独立行政法人、国立大学法人、地方独立行政法人等

 原則として許可されない兼業先

  • 営利企業
  • 公益社団法人、公益財団法人、社会福祉法人、学校法人、更生保護法人、医療法人、特定非営利活動法人等で次のいずれかに該当する場合
    • 非営利団体がその設立目的に沿った活動実績があることを事業報告、活動計算書等により確認することができないとき。
    • 非営利団体又はその役員若しくは役員であった者が、人事院規則21-0(国と民間企業との間の人事交流)第7条第1号に該当するとき。
  • 一般社団法人、一般財団法人、自治会・町内会、マンション管理組合、同窓会等で次のいずれかに該当する場合
    • 定款等に記載されている非営利団体の目的が国家公務員としての信用を傷つけ、または官職全体の不名誉となるおそれがあると認められるとき。
    • 非営利団体がその設立目的に沿った活動実績があることを事業報告、活動計算書等により確認することができないとき。
    • 直近3年分の事業報告、活動計算書等の資料がHP等により国民に広く公表されていないとき。
    • 非営利団体又はその役員若しくは役員であった者が、人事院規則21-0(国と民間企業との間の人事交流)第7条第1号に該当するとき。

 なお、人事院規則21-0(国と民間企業との間の人事交流)第7条第1号は、次のとおりです。

 人事交流を行おうとする日前二年以内に、民間企業又はその役員若しくは役員であった者が、当該民間企業の業務に係る刑事事件に関し起訴された場合(無罪の判決又は公訴棄却の決定が確定した場合を除く。)又は特定不利益処分(行政手続法(平成五年法律第八十八号)第二条第四号に規定する不利益処分(以下単に「不利益処分」という。)のうち許認可等の取消しその他の民間企業の業務運営に重大な影響を及ぼす不利益処分として人事院の定めるものをいう。第十六条において同じ。)を受けた場合

人事院規則21-0(国と民間企業との間の人事交流)第7条第1号

 国家公務員は、原則として営利企業との兼業は認められないのですね。

こむぞう
こむぞう

厳しい・・・。

 地方公務員は、所属団体によります。

こむぞう
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ちなみに私の所属団体は、不適切なところでない限り営利企業であっても認めています。

兼業の報酬は、いくらまで?

 公務員がもらいすぎるといろいろいわれてしまいそうですが、国家公務員であれば、次のように基準があります。

 兼業することによって得る報酬として、社会通念上相当と認められる程度を超える額である場合には、昭和41年通知第3の2(5)に該当するものとする。

 なお、国家公務員倫理規程(平成12年政令第101号)第9条第2項に基づき、利害関係者からの依頼に応じて行う講演等については、倫理監督官により報酬基準が定められていることを踏まえ、利害関係者からの依頼に限らず、同様の事業又は事務を行う兼業においては、当該報酬基準を超える場合には、昭和41年通知第3の2(5)に該当するものとする。

「職員の兼業の許可について」に定める許可基準に関する事項について(平成31年3月28日閣人人第225号)

こむぞう
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不明確ですが、一般的な金額ならOKという意味でしょうか。ちなみに私の所属団体では、特に基準はありません。

異動した場合は、再度許可が必要

 異動した場合は、国家公務員であれば「職員の兼業の許可について(昭和41年2月11日総人局第97号)」によると次のとおり再度許可が必要です。

  1. 兼業の許可を受けた職員が昇任、転任、配置換等により官職を異動した場合における取扱いについては、兼業の許可は当該職員の現に占めている官職との関係を考慮して与えられるものであるから、官職に異動が生じた後も引き続き兼業するときは、必ず新たに許可を受けさせなければならないこと。
  2. 前記の更新は、当該異動後1月以内に行なわせるものとすること。
  3. 前記1の場合において、例えば行政職俸給表(一)の適用を受ける職員の属する職務の級が五級から六級に昇格しただけの場合のように実質的な官職の異動がなく、かつ、政令第1条(権限の委任)および内閣官房令第5条(権限の委任)の規定により許可権者についても異動がないような場合等は、除外するものとすること。

 ちなみにここでいう「政令」は職員の兼業の許可に関する政令(昭和41年政令第15号)、「内閣官房令」は職員の兼業の許可に関する内閣官房令(昭和41年総理府令第5号)のことです。

 上司が変わったら再度許可が必要になるんですね。国家公務員は、細かく申請が必要となりそうです。

こむぞう
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ちなみに私の所属団体では、異動に伴う再申請は、原則として不要としています。

実例紹介

 さて、以上を踏まえた上で、私の所属団体で許可が得られた主な兼業の実例を次のとおり御紹介します。

従事する業務報酬勤務条件等
消防団消防団に関する条例の規定による。不規則
他市の市史調査協力員日額6,800円(3時間未満3,400円)職員の勤務時間外
ファミリー・サポート・センター援助活動未定不定期
手話通訳講師1回当たり3,000円依頼内容による。
集落排水管理組合なし8:30~10:30
子育て支援団体の代表なし土曜日の午前中
国勢調査員39,000円~50,000円職員の勤務時間外
作品(図画原稿等)の製作及び販売依頼内容による。依頼内容による。
ブログ(広告掲載)広告収入(金額未定)なし
動画制作(広告掲載)広告収入(金額未定)なし
こむぞう
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特別職の地方公務員等が多いですね。

 ちなみにこのブログの広告収入もこの表のとおり許可を得ています。

 なお、アルバイト的な地方公務員である会計年度任用職員のうち、短時間勤務の場合は、地方公務員法第38条第1項ただし書の規定により兼業が認められています。しかし、許可の申請が必要ないため、人事担当部局としては把握をしていません。そうはいっても参考にしたい方のために、私が個人的に把握しているものだけでも次のとおり御紹介します。

  • スーパーの品出し又は夜間スタッフ
  • ホテルの皿洗い
  • 船内案内、点検、掃除等
  • 住宅展示場集客
  • 来客案内、商品販売及び商品管理
  • 飲食店の接客
  • 子ども服販売
  • 他市の講座の講師
  • 手話通訳
  • 運転代行
  • 送迎ドライバー
  • レンタカーの貸借業
  • 陸上自衛隊予備自衛官
  • 消防団
  • 他市の会計年度任用職員
  • 住宅・土地統計調査員
  • 国勢調査員
  • 看護師(通所介護及び介護予防サービス)
  • 借地

新型コロナワクチン接種の兼業

 これらのほか、最近では「新型コロナワクチンの接種に関する兼業の許可について(令和3年6月9日付け閣人人第356号内閣官房内閣人事局参事官通知)」で新型コロナウイルスワクチンの接種に特有の兼業についても触れられていましたので御紹介します。

 国家公務員についての内容ですが、地方公務員も同様の取扱いをすることとなります。

  • 医師・看護師等の資格を有する職員が、国家公務員を対象とした接種等、任命権者の業務命令を受けて新型コロナワクチンの接種に従事する場合、当該接種は職務に該当するものであり、兼業許可は不要ある。
  • 医師・看護師等の資格を有する職員が、報酬を得て病院や集団接種会場等において新型コロナワクチンの接種に協力する場合の兼業許可における昭和41年通知(「職員の兼業の許可について(昭和41年2月11日総人局第97号)」をいいます。以下同じです。)に定める「第3 許可基準に関する事項」については、以下のとおりとする。
    • 「2(1)兼業のため勤務時間をさくことにより、職務の遂行に支障が生ずると認められるとき。」について 新型コロナワクチンの接種に従事する場合においては、その政策的意義に鑑み、勤務時間をさく予定の日時における兼業先の職務を正規の勤務時間外に行うことが困難であるとともに、当該職員が兼業のため勤務時間をさく場合であっても当該職員が所属する職場における職務遂行に支障がないと認められるときは、昭和41年通知第3の2(1)に該当しないものとする。※つまり、兼業が許可される。
    • 「2(2)兼業による心身の著しい疲労のため、職務遂行上その能率に悪影響を与えると認められるとき。」について 判断に当たっては、平成31年通知(「職員の兼業の許可について」に定める許可基準に関する事項について(平成31年3月28日閣人人第225号))1(1)において示している兼業時間数の上限の目安については、兼業しようとする職員の健康、兼業する事業又は事務の内容や兼業時間数、官職における超過勤務時間を含めた勤務の状況等を考慮して、昭和41年通知第3の2(2)に該当するかを柔軟に判断するものとする。※つまり、兼業の許可は、場合による。

参考資料

 そのほか、ここで紹介した参考資料の一部を掲載しておきますので、興味のある方は、御覧ください。

 ちなみに冒頭で紹介したこの本、電子書籍も出ています。「本棚がない。」とか「厚くて持ち運べない。」といったことが気になる方は、どうぞ電子書籍をお選びください。

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