本当は教えたくない!公務員のハラスメントの実態とその対策

働き方のヒント(人事給与)
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 ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。

 パワー・ハラスメントが法制化されたのが令和2年6月1日。かなりの期間が経過しましたので、人事給与担当10年の私から、ハラスメントについてお伝えしたいと思います。

まねこ
まねこ

ハラスメント対策のヒントになる話もするから、役に立つと嬉しいな。

こむぞう
こむぞう

公務員を目指す方には夢が覚めてしまう話かもしれません。こむぞうとしても心苦しいのですが、これを踏まえてもなお公務員になりたいと思ってもらいたいと思います。

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公務員にもハラスメントってあるの?

 結論からいえば、ハラスメントはいまだにあります。

 多く聞くのはパワハラですね。私が聞いた話では、次のようなことがありました。

  • 週休日の振替を新しい年度になってからお休みにしようと思ったら、異動してきたばかりの新しい上司からダメと言われた。
  • 議会対応のために他の所属の業務についてまで資料を作るよう上司から強く言われた(この後も資料要求がされる。)。
  • 休暇を希望したら、上司から不満を言われた。
  • 新型コロナウイルスワクチン接種会場の当番を育児のためにグループの理解を得て免除してもらっていたら、更に上の上司が当番に加わっていないことを強く責めてきた。

 具体的な事情を調査していないので実態は分かりませんが、これだけ聞くとパワハラの疑いがあります。

 セクハラだと、明らかにアウトな事例を除くと、スキンシップのつもりで女性の肩を叩いたりする事例がありました。本人に自覚はないのでしょうね。人間関係によるのでハラスメントとなるかどうかは当事者によります。

 パタハラだと、育児休業を取得しようと思った男性職員が女性の上司に責められたという話もあります。その女性の上司も育児を経験しているのに、何だか理不尽ですね。仕事が忙しいというのもあると思いますが、長期で不在となる事例は他にもあるのでリスクマネジメントをしっかりしてほしいものです。男性の育児休業については、他の男性職員の中にもよく思わない雰囲気があるようです。これについては、少しずつ男性の育児参加の風潮が始まっているので浸透してほしいですね。

ハラスメントの防止措置は、義務です。

 ハラスメントの防止に関するルールを整理しましょう。

 まず、パワハラです。

第三十条の二 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和41年法律第132号)第30条の2第1項

 雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととなっています。

 次に、セクハラです。やはり雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととなっています。

第十一条 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、又は当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和47年法律第113号)第11条第1項

 次にマタハラ、パタハラ等ですね。やはり雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととなっています。

第二十五条 事業主は、職場において行われるその雇用する労働者に対する育児休業、介護休業その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度又は措置の利用に関する言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成3年法律第76号。以下「育児・介護休業法」という。)第25条第1項

 また、これに加え、次のとおり育児休業、介護休暇等の制度利用の体制整備等の措置義務、これらの制度利用に関する相談等についての不利益取扱いの禁止、国に対する育児休業等関係言動問題への理解促進に関する努力義務、国に協力する努力義務及び育児休業等関係言動問題について研修の実施等の努力義務が定められています。

36 地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者は、職場において行われる同法第四条第一項に規定する職員に対する地方公務員の育児休業等に関する法律第二条第一項の規定による育児休業、第六項において準用する第三項の規定による休業(=長期の介護休暇)その他の子の養育又は家族の介護に関する厚生労働省令で定める制度(=育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則(平成3年労働省令第25号)第97条)の利用に関する言動により当該職員の勤務環境が害されることのないよう、当該職員からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。

育児・介護休業法第61条第36項

 事業主は、労働者が前項の相談を行ったこと又は事業主による当該相談への対応に協力した際に事実を述べたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な不利益な取扱いをしてはならない。

育児・介護休業法第61条第37項において読み替えて準用する育児・介護休業法第25条第2項

第二十五条の二 国は、労働者の就業環境を害する前条第一項に規定する言動を行ってはならないことその他当該言動に起因する問題(以下この条において「育児休業等関係言動問題」という。)に対する事業主地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第六条第一項に規定する任命権者又はその委任を受けた者(以下「任命権者等」という。)その他国民一般の関心と理解を深めるため、広報活動、啓発活動その他の措置を講ずるように努めなければならない。

育児・介護休業法第61条第38項において読み替えて準用する育児・介護休業法第25条の2第1項

 事業主任命権者等は、育児休業等関係言動問題に対するその雇用する労働者地方公務員法第四条第一項に規定する職員の関心と理解を深めるとともに、当該労働者当該職員が他の労働者に対する言動に必要な注意を払うよう、研修の実施その他の必要な配慮をするほか、国の講ずる前項の措置に協力するように努めなければならない。

育児・介護休業法第61条第38項において読み替えて準用する育児・介護休業法第25条の2第2項

 事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)任命権者等は、自らも、育児休業等関係言動問題に対する関心と理解を深め、労働者に対する言動に必要な注意を払うように努めなければならない。

育児・介護休業法第61条第38項において読み替えて準用する育児・介護休業法第25条の2第3項

 労働者は地方公務員法第四条第一項に規定する職員は、育児休業等関係言動問題に対する関心と理解を深め、他の労働者に対する言動に必要な注意を払うとともに、事業主任命権者等の講ずる前条第一項第六十一条第三十六項の措置に協力するように努めなければならない。

育児・介護休業法第61条第38項において読み替えて準用する育児・介護休業法第25条の2第4項
まねこ
まねこ

長いけど、どこかでハラスメントを防ぐように法律で定められているんだね。

 このように、何かしら講じることとなっていますので、それぞれの自治体で、研修を実施することとしたり、相談窓口やハラスメントの疑いがある場合の対処ルールが定められたりしました。

 ちなみに、国家公務員には次のルールがあります。どんなものがハラスメントになるのか、研修の実施義務、ハラスメントが起きた場合の対処が法制化されています。懲戒処分にもなりうることも明文化していますね。

防止措置の効果は、疑問

 ハラスメントは、明らかなハラスメントとなるものは、加害者側もさすがに行いません。しかし、ハラスメントかどうか曖昧な場合が最も困る事例です。特に、強気な職員は、ハラスメントの研修をしても、自分のことだと感じません。自分のことだと思っていないので研修しても効果がありません。結局訴えられるまで反省しないと感じます。防止措置は、もっと効果的なものを考えなければなりませんが、特に問題のないものも規制することになり、活動に制限がかかってしまいそうなのでとても難しいですね。

 他の自治体の人事担当者から話を聞いたことがありますが、例えハラスメントが起きても「今後の人間関係もあるので言い出せない。」等となって、問題にならずに終わったりするそうです。人事異動もあるので、永遠に一緒にいるわけでもありませんので、これも解決策の一つだと思います。加害者と戦うのは被害者なので、結局ダメージを負ってしまうことを思えば、これもいいとも思います。

こむぞう
こむぞう

しかし、納得できません。人事担当者としては、落ち着きません。幸いなことに、ハラスメントの疑いのある人は、私の所属団体では5人もいないのが救いですね。公務員の多くは、基本的にまじめということですが・・・。

ハラスメントには、自己防衛

 自分を守れるのは、残念ながら自分だけです。

 そのようなときに効果を発揮するのは、やはりハラスメントを受けた記録の文書等の物的証拠です。

 実際、私の人事担当としての実体験ですが、物的証拠があると効果的に話が進みました。

  • ハラスメントの記録文書(ハラスメントをされたときの年月日及び時間は、必須)
  • ハラスメントの録音

 録音には、スマホで操作してもいいのですが、アプリを起動させるのに工程が多いし加害者に疑われるかもしれないので、ツイッターの意見にもあったアップルウォッチやペン型のレコーダーは、確かにお勧めです。

まねこ
まねこ

被害者本人じゃなくてもいいよ!気づいたら、代わりに記録してあげたり、ハラスメント窓口に相談したりしてあげてね。

こむぞう
こむぞう

あなたのハラスメントを許さない心がいい職場を作ります。ほんの少しでいいので、ハラスメントと戦いましょう!その想いは、いずれあなたを救います。

 そして、もしハラスメントに耐えられなくなったのであれば、休むことも重要です。病気休暇及び休職について解説する記事もありますので、こちらも御覧ください。

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