ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。
公務災害補償に関する条例についての情報提供です。
お仕事情報なので、是非次の人にお役立ていただきたいと思います。
- 公務災害補償の事務担当者
- 消防団の事務担当者
恐らく消防団の事務担当者は、必見だと思います。
法改正の内容
この条例改正の改正理由となった法令は、こちらです。
- 公布の日 令和2年6月5日
- 施行期日 令和4年4月1日ほか
注意!
衆議院で修正議決がされています。
新旧対照表だけは法律案提出時点のものですので、「衆議院修正議決内容」を確認の上、御活用ください。
条例改正と関係ありませんが、ほかにもこんな改正内容がありました。
・一部の短時間勤務の公務員も令和4年10月1日から共済組合に加入
・iDeCo加入要件が令和4年5月1日から60歳未満から65歳未満に拡大
・令和4年4月1日から年金手帳が基礎年金番号通知書に切替え
補償を受ける権利の譲渡、担保及び差押えは、例外なく禁止
改正前の地方公務員災害補償法(昭和42年法律第121号)第62条第2項は、次のようになっています。
2 補償を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることはできない。ただし、年金たる補償を受ける権利を株式会社日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫に担保に供する場合は、この限りでない。
年金制度改正法附則第68条の規定による改正前の地方公務員災害補償法(昭和42年法律第121号)第62条第2項
つまり、公務員が仕事中の事故等で受けたけがや病気(公務災害)で傷病補償年金、障害補償年金及び遺族補償年金を受ける場合、これらの補償を受ける権利は、原則として譲渡、担保及び差押えができないが、日本政策金融公庫又は沖縄振興開発金融公庫の担保とすることはできるということです。
今回の改正でこのただし書が削られてしまいます。
年金を担保とした貸付けは、例え公務災害補償であっても認められなくなります。
地方公務員災害補償法は、常勤の職員等に適用する公務災害補償が定められています。
一方、非常勤の公務員に適用されている公務災害補償は条例で定められているため、その条例も同様にすべきということになります。
条例改正案
例規集(条例集)のデータベースを開いて、「日本政策金融公庫」や「沖縄振興開発金融公庫」をキーワードにして、改正が必要か探してみましょう!
もし該当するものがあったら、条例改正です。
着手する前に、まず基本に戻って、条例改正等の進め方の記事も併せて御覧ください。長い戦いになるかもしれません。簡単な改正でも必ず整理して進めましょう。
自治体の条例は、かつての機関委任事務により全国的におおむね似通っています。恐らく消防団員の公務災害補償の条例だけが対象になると推測します。
さて、この法律を踏まえ、条例案を作るとしたら、次のようになります(文字の左側を空けるスペース等は、自治体のルールに従って調整してみてください。)。
条例案
○○〇市消防団員等公務災害補償条例の一部を改正する条例
○○〇市消防団員等公務災害補償条例(昭和〇年〇〇市条例第〇号)の一部を次のように改正する。
第〇条第〇項ただし書を削る。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、令和4年4月1日から施行する。
(経過措置)
2 この条例の施行の際現に担保に供されている傷病補償年金、障害補償年金及び遺族補償年金を受ける権利については、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後も、なお従前の例により担保に供することができる。
3 年金制度の機能強化のための国民年金保険法等の一部を改正する法律(令和2年法律第40号)附則第70条第1項及び第71条第1項に規定する申込みに係る傷病補償年金、障害補償年金及び遺族補償年金を受ける権利は、施行日以後も、なお従前の例により担保に供することができる。
なお、経過措置については、年金制度改正法附則第80条第1項及び第2項を参考にしました。
第80条 この法律の施行の際現に担保に供されている年金である給付若しくは補償又は保険給付遅延特別加算金若しくは給付遅延特別加算金の支給を受ける権利は、施行日以後も、なお従前の例により担保に供することができる。
年金制度改正法附則第80条第1項
2 附則第36条第1項、第70条第1項及び第71条第1項に規定する申込みに係る年金である給付若しくは補償又は保険給付遅延特別加算金若しくは給付遅延特別加算金の支給を受ける権利は、施行日以後も、なお従前の例により担保に供することができる。
年金制度改正法附則第80条第2項
もしこの条例案が消防庁等が情報提供として示してくれる条例(例)と一致したら、是非SNSにメッセージを送るなどして一緒に喜んでください☺
以上です。細心の注意を払って完成させましょう!
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