ボーナス「期末手当」の計算方法

働き方のヒント(人事給与)
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 ブログ「公務員ってどうなの?」のこむぞうです。

 さて、6月は、ボーナスの季節ですね。特に公務員の皆様は、ボーナスをどう計算するか分かりますか?今回は、そのボーナスの一つ「期末手当」の計算方法を御紹介します。

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期末手当とは?

 そもそも期末手当はどのようなボーナスなのでしょうか?法令で定義は定められていませんが、「盛夏と年末に生活費が一時的に増嵩することを考慮して支給される生活給」とか「民間における賞与のうちのいわゆる一律支給分(又は期末一時金)に相当する給与で、各職員の在職期間に応じて支給される」といった説明がされています。

こむぞう
こむぞう

ちなみに、私は、「6か月間お疲れ様という意味合いのボーナス」と上司に説明しています。

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期末手当が支給されない職員

 期末手当が支給されない場合があります。主に基準日(6月支給なら6月1日、12月支給なら12月1日)時点で次の場合です。

  • 無給休職者
  • 刑事休職者
  • 停職者
  • 専従休職者
  • 無給派遣職員
  • 人事交流
  • 自己啓発等休業
  • 配偶者同行休業
  • その他

基準日前1か月以内の退職は、期末手当の支給対象

 「ボーナスの基準日まで在職してボーナスをもらってから退職しよう。」という計画を耳にしたことがあります。

 そういう退職計画でもいいのですが、本当にボーナスをもらってから退職するのであれば、基準日前1か月以内の退職も支給対象となるので検討の余地があります。

 つまり、6月支給のボーナスであれば5月1日から同月31日まで12月支給のボーナスであれば11月1日から同月30日までの退職も支給対象ということです。

 国家公務員であれば、次のように定められています。多くの自治体でも同様に定めていますので、条例の規定を確認してみましょう。

第十九条の四 期末手当は、六月一日及び十二月一日(以下この条から第十九条の六までにおいてこれらの日を「基準日」という。)にそれぞれ在職する職員に対して、それぞれ基準日の属する月の人事院規則で定める日(次条及び第十九条の六第一項においてこれらの日を「支給日」という。)に支給する。これらの基準日前一箇月以内に退職し、又は死亡した職員(第二十三条第七項の規定の適用を受ける職員及び人事院規則で定める職員を除く。)についても、同様とする。

一般職の職員の給与に関する法律(昭和25年法律第95号)第19条の4第1項

期末手当の計算方法

 では、期末手当の計算方法を御紹介します。今回は、再任用職員及び特定管理職員という特別枠については、割愛させていただきます。

期末手当の計算に必要な情報

 必要な情報は、次の点です。

  • 給料月額
  • 扶養手当の月額
  • 地域手当の支給率
  • 役職加算割合
  • 管理職加算割合(あれば。恐らく地方公共団体にこの制度はありません。)
  • 勤務しなかった期間等

期末手当の計算式

 期末手当の計算式は、次のとおりです。なお、支給割合は、100分の120です(令和4年4月1日現在)。

期末手当の計算

 期末手当基礎額×支給割合×在職率※1円未満の端数切捨て

まねこ
まねこ

これだけじゃどう計算するか分からないね。順番に解説するよ!

期末手当基礎額の計算

 期末手当の計算式で出てきた期末手当基礎額の計算式は、次のとおりです。

期末手当基礎額の計算
給料月額+扶養手当の月額+(給料月額+扶養手当の月額)×地域手当の支給率+役職加算管理職加算※1円未満の端数切捨て

役職加算(給料月額+(給料月額×地域手当の支給率))×役職加算割合 ※1円未満の端数切捨て
管理職加算給料月額×管理職加算割合 ※1円未満の端数切捨て

 少し補足します。

 管理職加算は、恐らくこの制度を持っている自治体はないのではないかと思われます。

 ちなみに役職加算割合は何かというと、さすがにこれについてはそれぞれの自治体で調べるしかありません。ちなみに国家公務員では、次のとおり人事院規則9-40(期末手当及び勤勉手当)別表第一で定めています。役職加算がある職員であれば、最低100分の5になります。それぞれの自治体で似たような条文が条例又は規則で定められていると思いますので、探してみてください。

第四条の三 給与法第十九条の四第五項(給与法第十九条の七第四項において準用する場合を含む。以下同じ。)の行政職俸給表(一)及び指定職俸給表以外の俸給表の適用を受ける職員で、行政職俸給表(一)の職務の級が三級以上の職員に相当する職員として規則で定めるものは、別表第一の職員欄に掲げる職員(行政職俸給表(一)及び指定職俸給表の適用を受ける職員を除く。)とする。

人事院規則9-40第4条の3第1項

在職率の計算

 最後に在職率を説明します。在職率は、在職期間に応じて期末手当にかける計算となります。在職期間の判定期間は、次のとおりです。

支給月在職期間の判定期間
6月12月2日から6月1日まで
12月6月2日から12月1日まで

 6月の期末手当であれば、12月2日から6月1日までとなります。この判定期間で在職率がいくつになるかというと、こちら

在職期間在職率
6か月100分の100
5か月以上6か月未満100分の80
3か月以上5か月未満100分の60
3か月未満100分の30

 4月1日から採用された職員であれば、在職率は100分の30となります。

 なお、「在職期間」というと職員でいる期間と思いがちですが、職員でない期間以外でも在職期間から除く期間があります。それは、主に次の内容です。

  • 停職者の期間
  • 非常勤職員(会計年度任用職員等)の期間
  • 専従休職者の期間
  • 育児休業の期間の2分の1
  • 自己啓発休業等の期間の2分の1
  • 配偶者同行休業の期間の2分の1
  • 休職(公務上の負傷又は疾病によるもの等を除く。)
  • 育児短時間勤務職員等の期間の2分の1

期末手当の計算方法のまとめ

 さて、まとめです。専門用語が多い計算ですが、専門用語をなるべくなくしてつなぎ合わせると次の計算式となります。

チェックポイント

期末手当=給料月額+扶養手当の月額+(給料月額+扶養手当の月額)×地域手当の支給率給料月額+給料月額×地域手当の支給率)×役職加算割合給料月額×管理職加算割合)×支給割合×在職率※1円未満の端数切捨て

まねこ
まねこ

「期末手当基礎額」という専門用語だけしか省略できなかったね。

こむぞう
こむぞう

・・・えーっと、期末手当基礎額、役職加算等の計算(黄色の下線の計算)でそれぞれ1円未満の端数切捨てをすることに注意しましょう!

まねこ
まねこ

あ!ごまかした!

期末手当の計算例

 では、具体例を挙げましょう。給料月額314,300円、扶養手当の月額20,000円、地域手当の支給率0.15、役職加算割合0.05、管理職加算なし、支給割合1.2、在職率1.0の場合は、

(給料月額314,300円+扶養手当の月額20,000円+(給料月額314,300円+扶養手当20,000円の月額)×地域手当の支給率0.15+(給料月額314,300円+給料月額314,300円×地域手当の支給率0.15)×0.05)×支給割合1.2×在職率1.0=期末手当483,020円

となります。

まねこ
まねこ

実際やってみるとなんとか分かるね。あなたも計算してみてね!

期末手当・勤勉手当計算ツール

 さて、いかがでしょうか?計算方法について御紹介しましたが、なかなか手計算をするのも大変だと思いますので、計算ツールを作成しました。よろしければ御活用ください。

期末手当・勤勉手当計算フォーム

【エクセル版】

 ちなみにもう一方の公務員のボーナス「勤勉手当」については、こちらの記事で紹介しています。よろしければそちらも御覧ください。

こむぞう
こむぞう

なお、令和3年人事院勧告を踏まえ、令和3年12月の期末手当で減額する分を令和4年6月の期末手当で減額する一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第17号)が公布されました。その計算については、次を御覧ください。

一般職の職員の給与に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第17号)と同様に令和3年12月の期末手当から減額する分を令和4年6月の期末手当から減額する場合

 これについては、期末手当・勤勉手当計算フォーム及び期末手当・勤勉手当計算ツールに対応させていません。別途次のように計算し、本来支給される令和4年6月の期末手当を計算してください。

 令和4年6月の期末手当(減額前)(令和3年12月に支給された期末手当-同月の期末手当の支給割合を100分の1.125として計算した期末手当)

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終わりに「ボーナスの使い道は?」

 ボーナスの使い道ってどうしてますか?

 多くの職員は、「貯金」と答えます。

 しかし、貯金の利率は0.001パーセントしかないので(共済貯金すら今では1パーセントもないので)、インフレ率2パーセントを目指す世の中では必要なお金が不足します

こむぞう
こむぞう

インフレとは、値上げや同じ価格でも質が下がることとお考えください。

 そのような状況なので、こちらの記事でも書いていますが、株式投資であれば3パーセントから5パーセントまで、債券でも2パーセントから4パーセントまでの間くらいですね。断然この方がパフォーマンスが期待できるので、ある程度を投資に回した方がいいのです。

こむぞう
こむぞう

私の若いうちは、共済貯金だけやっていればいいと思っていましたが、今では社会保険料の増額、大きな生活の変化等に加え、教育資金にどんどん預金が減っていっています。投資の成果をこちらの記事に挙げていますが、これを見るとなお「若いうちに投資で資産形成をしておけば!」と後悔しています。

 さて、証券口座を開設するに当たっては、こちらの記事の証券口座をネットで開設すればいいのですが、素直に証券口座のサイトで行うよりもポイントサイト《ハピタス》を使うとポイントももらえてお得です!

まねこ
まねこ

4,000円相当・・・え?タイミングによっては14,000円相当なんてものもある!?

 ほかにもクレジットカードの入会、iDeCo等でも使えますので、是非大きな買物で御活用ください。

ポイントサイト《ハピタス》

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